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BMW 120i (2004/10/2) |
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※この試乗記は2004年
10月現在の内容です。 今回は話題のBMW製コンパクトの120iに試乗した。 1シリーズはBMWが始めて参入するCセグメントのハッチバックで、エンジン別に120i、118i、116iが日本に投入される予定だが、そのうち118iと116iは来年春より発売で、当初は今回試乗する120iのみが販売される。 デーラーのショールームに飾られた120は、前から見れば誰が見ても最近のBMWその物であるが、7や5シリーズ程はドギツくないので、これならBMWフリークでない一般の人でも、フロントマスクにビビって購入を躊躇することは無いだろう。 ダッシュボードのデザインはまさしく最近のBMWであり、7、5それにZ4などの流れで、チョッと荒いボツボツというかザラザラしたような質感の内装は先日試乗したX−3そっくりだ。X-3の場合は500万以上も出してこれはちょっと、と言う感じだったが3百万の中ごろである1シリーズなら、まあ許されるか? |
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フロントシートを最大に下げた場合 |
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気になる後席の居住性は、フロントシートを一杯に下げると、流石にレッグルームはミニマムで、ボルボのV50/S40も似たようなものだったから、Cセグメントの限界か?しかし、フロントの住人が170cm代の身長なら、大人が乗って何とか膝がバックレストに当たらない程度のスペースはある。もしも、お父さんが身長185cm級の大男だったら、後席は小学生(それも低学年)程度が限界だろう。 いよいよ試乗車に乗り込む。最初にエンジンを掛けようとして気がつくのは、7シリーズのようにスタートはボタンを押すだけという点で、これは5シリーズを超えている。アイドリングは多少の振動があり、全く振動の無い6気筒に慣れていると、チト気になる。かと言って、330iの如何にも高性能エンジンが待機しているようなワクワクする振動では無い。 一番興味あるステアリングの特性は、まず感じるのはよく言えば直進安定性が良いことで、悪く言えばあまりクイックではない。勿論、最近のBMW、特に5シリーズのような慣れないと危険な程にクイックな特性と比べた場合で、3年程前に試乗した318tiなどは、この120と似たような特性だった。年季の入ったBMWフリークならE30(2つ前の3シリーズ)時代の中心付近に多少の不感帯があるような特性と言えば理解できるだろうか。要するに、ある意味オーソドックスとも言える。これはコーナリング特性も同様で、多少アンダー気味で極めて安定しているから、初めてBMWに乗るドライバーでも違和感が無いし、そういう人から見れば、流石はBMWと思うか、いや、何にも判らないか? |
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2世代前の3シリーズ(E30) その後の3シリーズはモデルチェンジの 度に大きくなった。1シリーズのサイズは 幅を除いてほぼ同等だ。 |
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原因の一つは、標準装着の55タイヤにあるかもしれない。ショールームに展示してあった車は、17インチの50タイヤを履き、オプションのスポーツサスを装着してあるそうで、こちらに乗れれば印象は変わっただろう。BMWの場合はタイヤサイズによってかなり印象が変わる、というより場合によっては別のクルマと思える程に特性が変わるからだ。 |
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120iに標準の205/55R16(写真はフロント) 試乗車にはこれが付いていた 走りを求めるとチョッと? |
オプションの205/50R17(写真はリア) ショールームの展示車に付いていた 試乗車がこれなら結果は変わっていただろう |
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標準の55タイヤは多少操舵の楽しみを奪っているが、その代償に乗り心地はかなり良い。マッサラの新車でも、キツイ突き上げも感じないし、それでいてBMWらしくフラットだ。 ブレーキはBMWそのもので、BMWの場合は3〜7シリーズまで、大きさや重量が異なるにも係わらず、どのクラスに乗っても基本的に同じフィーリングだが、この1シリーズも同様だ。ブレーキというクルマの安全性から見て最重要な装置の特性は、車格の違いに係わらず全て同じというポリシーは実に立派で、だからこそ、高級ブランドとして認められているのだろう。 さて、このクルマをどう結論づけるべきか。366.5(消費税別349)万という価格は318tiの341.2万を20万以上も上回り、しかも1シリーズはワンプライス、すなわち値引きなしの定価販売とか。足回りのスペックから言えば3シリーズのシングルジョイントに比べて、5シリーズなみのダブルジョイントだし、高いのも納得いくが、では乗り比べて3シリーズより圧倒的に良いかといえば、はて?ドッチもドッチというところだった。オプションの17インチタイヤとハードサスを入れれば、もっと面白い車になるだろうが、そうすれば価格は更にあがる。 MT(しかも右ハンドル)でも設定してくれれば、また購買層も変わるだろうが、いまのままでは、単なる金持ちのセカンドカーか。それとも、いわゆるパラサイトシングル女性で、年老いた親(そりゃ、娘も40になれば親も年取る)と同居する関係から2ドアのtiは買えず、だからといって、特に好きでもないクルマのために500万超えの金も出したくないし、それでいて「ビーエム乗ってますぅ〜」って言いたいし・・・・の手か? 次期3シリーズが、益々肥大化するらしい今、1シリーズのコンパクトなサイズは魅力が大だし、新設されたプラットフォームや足回りも、この先の展開を大いに期待できる。E30のM3再来と噂されるM2に期待をしよう。 |
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