BMW 330i (2002/03/04)
 

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試乗車一覧

 

※この試乗記は2002年3月現在の内容です。現在この車種は新車販売が終了しています。現行車は新型3シリーズにフルモデルチェンジされています。

外観上では他の6気筒モデルの320i、325iと大きく変わるところはなく、最大の違いは標準装着のタイヤがフィンタイプの17インチホイールを装備していて、これが何となく違和感がある程度だ。

エンジンを掛けた瞬間から、ドロドロという只者ではない音でアイドリングする。しかも、アイドリング時に振動があるが、これは不快というよりも何やらトンでもないクルマに乗っているという感じが伝わってくる。この辺の演出は実に上手いが、ロクに試乗もしないで、どうせ3シリーズに乗るのなら最高級の奴に、なんて考えで買ったら、それこそ、コンナ筈じゃなかったと後悔したり、デーラーとトラブったりするのは目に見えている。

走り出すと、恐ろしいトルクで軽く踏んだだけでグォーと加速し、その時の音はヴォーと如何にも高性エンジンという感じで、大人しい外観や高級車っぽい内装とは違和感がある。この音はフジツボあたりのマフラーつけてる兄ちゃんが聞いたら涙を流すほどカッコいい。

だだし、その他の走行フィーリングは全然緊張感が無いとうか、マークU的というか、とにかくドキドキワクワクと言うものは全く感じられない。それでもメーターを見ると恐ろしい速度になっている。

操舵感も以外にマイルドで、B_Otakuの320のようにキュッキュッと曲がる様子はないし、操舵力も重い。しかし、実際には多分速いのだろう。

乗り心地も非常に良い。ただし、320より70kgほど重いので道路のウネリを超えた時など、320なら一発で収まる上下動が330では多少のお釣りが来て、一発半と言う感じ。

この違いを考えて見ると、まず重量の違いによるチューニング自体の違い。つぎにタイヤの違い。B_Otakuの320はオプションの225/50R16に対して330は標準の205/50R17とホイールサイズは大きく扁平率も同じ50でそんなにトロイ筈は無いと思うのだが、205と幅が狭い!この幅がカナリ効いているのと、320は純正オプションホイールで225幅用のため同じ7Jでもオフセットが多少違ったりするのか?すなわち、BMWではタイヤとホイールの組み合わせで客の好みに合わせるのか?

この330の緊張感の無さは、以前乗った事のあるメルセデス190-2.6とそっくりなのを思い出した。これは190(イワユル小ベンツ)のボディーに直6-2.6ℓを強引に押し込んだもので、これを運転した時の感想はやっぱり「ベンツのマークU」だった。

要するに、極度に完成されたグレードはなぜか感覚が「マークU」的になってしまうのが不思議と言える。

結論はノーマル330は求めるものが違う。でも、あのエンジン音とトルクは魅力なんで、Mスポーツならイケルかもしれない。しかし330Mスポーツの試乗車は何処にも無いらしい。雑誌のテストなどで、リポーターが絶賛しているMTならば価値があるだろうが、問題はMTは左ハンドル(LHD)であること。しかし、ポルシェだってMTはLHDだし、勿論フェラーリも左。やはり、日本の道でLHDのMTを自在に転がせないと、真のエンスーには成れないのか?