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2018/5/24 (Thu) 年金フル世代のクルマを考える <2>
年金フル世代が軽自動車に買い替えようと決断したとして、そうは言っても長年のクルマ好きがいくら軽の主流だとは言ってもハイトワゴンに乗るのは流石に躊躇する。そこでセダンタイプでしかもスポーツグレードなら何とか我慢が出来るかもしれない。と言う事で探して見れば軽のセダンタイプはアルトかミラくらいしか無くなってしまった。そしてどちらも本来のグレードは100万円以下で、要するにファミリー向けというよりは銀行等の金融機関の営業車というのが本来の用途だろう。
しかしアルトの場合はターボRS とワークスというスポーツグレードがある。とりわけアルト ワークスと言えば往年のかっ飛び軽自動車の一つであり、これならクルマ好きの成れの果てとも言えるタイプの年寄りでも何とか満足できるのではないか。
アルト ターボ RS とワークスの価格は以下のようになっている。
ターボ RS 5AT 129.4万円
ワークス 5AT/5MT 151.0万円
なお両グレード共に約10万円の追加で 4WD 車も用意されている。また上記で 5AT と表記したものは実はシングルクラッチのシーケンシャルセミオートで、トルコン式 AT では無いためにより積極的にマニュアル操作をする必要があるが、まあクルマ好きなら問題は無い。なお 5MT が欲しい場合は問答無用でワークスになってしまい、ターボ RS とワークスの価格差は約20万円と悩ましい設定になっている。
そこでここではターボRS とワークスの比較をしてみようと思う。先ずは先行して発売されていたターボRS をベースとして、これとワークスを比較する。
先代までのアルトと言えば見るからに安っぽくて、あれに乗り換える何て事はあり得ない! という代物だったが、今回の新型はスタイルという面では劇的に進化している。勿論ターボRS という特別なモデルである事も考慮が必要だが、ベースのデザインが悪ければ幾らこれに加飾を施しても惨めな外観は改善できない。
ではこのターボRS に対してワークスのエクステリアは何処が違うかと言えば、下の写真のようにフロントに大きな "works" のエンブレムがある程度だ。
エンジンはどちらも3気筒 660cc ターボの R06A でターボRS は 64ps/6,000rpm 98N-m/3,000 だが、これがワークスではトルクが 100N-m/3,000rpm と僅かに勝っているが事実上は変わらないと思っても良さそうだ。実際にエンジンルーム内を比べても違いは判らない。
タイヤは両モデルとも 165/55R15 だがホイールのデザインは其々専用のものとなっている。
ブレーキはフロントに片押しのシングルピストンキャリパーという点では両グレード共に変わりは無いが、ワークスではフロントキャリパーが赤く塗装されている。まあキャリパーを赤く塗ったところで性能が変わる訳も無く単なる差別化だが‥‥。
リアはどちらもドラムブレーキを使用しているが、勿論車重が 700kg を切るような軽量車でしかもリアの重量配分が低い FWD だから能力としてはこれで充分だが、最大のデメリットと言えば‥格好が悪い事だ。
次回はインテリアを比較する。
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2018/5/21 (Mon) 退院して1週間
退院してから丁度1週間が経過して、相変わらず杖をついて狭い我が家の廊下を何度も往復するリハビリに励んでおります。座っていれば特に何処が不自由という訳では無いけれど、いざサイトの更新をしようと思っても何となく体の動きが悪いのは、完全な回復まではやはりもう少し時間が必要かと‥‥。
本当は今日の予定として「年金フル世代のクルマを考える」の続編として、軽自動車編をお送りする予定だったが、どうも頭と体がチグハグで今日は間に合いそうも無く、取りあえず試乗結果の良かった、というか今回の軽自動車編では一押しのアルト ターボRSの簡易試乗記へのリンクを貼っておく。
⇒ SUZUKI ALTO RS Turobo 簡易試乗記 (2015/3)
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2018/5/19 (Sat) 年金フル世代のクルマを考える
十数年前に定年退職を前にして長年働いてきた自分自身へのご褒美も兼ねて、以前から狙っていた高級プレミアムサルーンをゲット!という読者は多いだろう。しかしあれから時は経ち、フル支給となった年金では生活は苦しく、自慢の高級車も日増しに修理費が増えて行き、これでは整備費貧乏になってしまいそうな今日この頃。
とはいえ、クルマが無いと不便な事は言うまでも無く、こうなったらもっと小型のクルマに買い替えようか、と思い始めた読者も多いだろう。そこで「年金フル世代のクルマ」は如何するべきか?というテーマを今後の大きな柱の一つにしようと思っている。
今回はその最初のトライとして、いくつかの候補を挙げてみる。
小さくて低価格といえば日本の誇る軽自動車だが、いざ自分の愛車にするとなると躊躇する読者も多いだろう。そんな軽自動車の中で光っているのがアルト ターボRS で、何より価格が約130万円というのが嬉しい。実はこの上級モデルとしてアルト ワークスがあるのだが、151万円と割高となっている。
やっぱり軽は勘弁してもらいたい、という場合にはBセグメントのスポーツタイプからの選択となるが、実はこの分野は結構充実している。例えばアルトと同じスズキにはスイフトスポーツがあり、MT ならば 183.6万円という価格が付いているし、ホンダならフィットRS (198万円) もある。その中から一覧表には日産 ノート NISMO S という他社より割高な車種を選んでみたのは、今時珍しハイチューンの自然吸気 (NA) というのに惚れたからだが、このクラスは今後より検討を加える予定にしている。
そしてもう少し予算がとれるならば、やっぱり小さくても BMW とかメルセデスベンツには乗りたい、というのなら BMW の中でも最も低価格な 118i と流行の SUV から、これまたベースモデルとなる X1 sDrive 18i を選んでみた。
と言う事で、この件については今後各種の詳細な検討を予定しているので‥‥乞うご期待!
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2018/5/17 (Thu) 感謝
二日前の退院報告の後に多くの読者の皆さまから、安堵や励ましのメールをいただき、大いなる支えとなっております。本来ならば其々のメールに返信したいところですがちょっと無理そうなので、取りあえずこの場にて返信の代わりとさせていただきます。
その後の容態は大きな変化は無く、昨日からは杖をついて狭い我が家の廊下を何度も往復して、リハビリらしき事も始めています。
なお、試乗記については救急搬送前に既に続編をアップする準備は終了していて、後は最終校正を残すのみの状況でした。そこでβ版として下記のリンクで先行公開いたします。
⇒ BMW X1 sDrive 18i & xDrive 18d (2018/4) 中編
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2018/5/15 (Tue) 生還!
この2週間程更新が滞っていましたが、実は先月末に小脳からの出血により市立医療センターに救急搬送されました。しかし運良く後遺症も残らず本日退院いたしました。
このサイトも体調と相談しならボチボチと再開して行く予定です。
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2018/4/26 (Thu) Nissan Bluebard 310
前回フェアレディー SPL213 を取り上げた時にチョイと触れたブルーバード 310 について、エクステリアのみだが軽く纏めてみる。日産のセダンはダットサン セダン 210 までは単に "セダン" という車名だったが、1959年に FMC された 310 からは ”ブルーバード” という名称が与えられた。これに対してライバルであるトヨタ は 1957年の T10 から "コロナ" の名称を使用していた。
ブルーバード 310 は 1959-1963年の4年間販売されたが、コロナは 310 の1年後に T20 へと FMC されて 1960-1964年に販売されていたから、コロナの FMC サイクルはブルーバードに対して丁度1年遅れで、まあ言ってみればトヨタ得意の後出しジャンケンだった。
今回の写真はそのブルーバード 310 では上級モデルとなる "ファンシーデラックス" で、何と女性向け仕様だった。クルマ自体が途轍もなく高価で、一般庶民には無縁の存在だった頃に女性向けっていうのは一体誰が買うんだ、という事になるが、当時近所の友人の祖母が化粧品会社を起業して、これがソコソコに成功して当時の有名デパートに店を出したりと上り調子だった時に、友人の母親もその仕事を手伝っていて、買った (多分経費で) 車がこのファンシーデラックスだった。
更に当時、小学校の同じクラスに中堅の製パン会社を経営していた一族の娘がいて、その母親もこのファンシーデラックスに乗っていた。しかし2年程後に会社は倒産して大手製パン会社が買い取り、旧経営陣は人知れず何処かに転居して行った。あっ、310 はといえば、既に経営不振となった時点で売却したのか、PTA の役員会に誇らしげに乗り付けていたのに、ある時から徒歩で来るようになっていき、遂には役員会自体にも来なくなったという。
何やら話が妙な思い出話に脱線してしまったが、今こうして 310 ブルーバードのエクステリアを眺めてみると、決して悪くは無いというか、中々良いデザインだったと感心する。この当時は国産のカーメーカーとしては実力・売上共に日産はトヨタよりも上だった時代だ。
サイドビューを見ると、まあ写真の撮影条件の問題もあるとはいえ、何やらリアオーバーハングが長い事に気が付く。当時はトランクルームを充分に確保する事が必要だったのだろうか。 サイズは全長 3,915 x 全高 1,496㎜ だから今のクルマで言えば、ノート (4,100㎜) よりも 200㎜ 弱短く、マーチ (3,825㎜) よりも90㎜ 長い。なお当時の分類でブルーバードはミドルサイズだった。
全幅は 1,496㎜ だから今の軽自動車 (1,475㎜) よりも 20㎜ 広いだけった。そんな幅の狭いクルマながら、それ程不細工には見えないのは、やっぱり当時のデザイナーは優秀だったという事だろう。細身のテールランプに繋がるボディのウエストラインに対してトランクリッドの傾斜が大きく、結果的に両サイドがフィンのように見えるのは当時の米国車の影響だろうか。しかしあちらは全幅が2m級の巨大なクルマが普通だった米国の黄金時代であり、だから当時のアメ車は抜群にカッコ良かった。
写真の後期モデルのエンジンは 4気筒 OHV 1.2L 43ps で車両重量は 900kg だから P/W レシオは 20.9kg/ps と未だアンダーパワーだった。サスペンションは前輪にダブルウィシュボーンを採用して日産初の独立懸架となった。トランスミッションは 3速MT だがフルシンクロメッシュを採用し、それを誇るかのようにグリルには "full syncromeshi" のエンブレムが付いていた。という事は多くのクルマはフルシンクロでは無かった訳で、多くは2~3速のみシンクロが付いていた。その為に走行中に1速に入れるのは殆ど不可能だっから、一時停止違反で止められた時にシフトレバーが1速の位置にあったら、無罪放免だったそうだ。
310 ブルーバードの時代から既に 59年が経過して、今ではブルーバードという名称はシルフィーのサブネームとして何とか生き残っている程度であり、そのシルフィーだって殆ど半分死んでいる状態だ。と思ったら、何と 2012年の現行モデルへの FMC でブルーバードの冠が外れて、単なるシルフィーとなっていた。当時のブルーバードを知る者からすれば何とも寂しい限りだが。