026年6月に英国議会の委員会で元外交官の証言により英国首相の公用車に中国製の追跡・データ送信デバイスが仕込まれていたとされる疑惑が公にされ、大きな波紋を呼んでいる、
1.疑惑の概要
この疑惑は、英国議会の委員会(下院ビジネス・貿易委員会)における証言によって明らかになったものだ。
• 発覚時期: 2022年(2023年初頭にメディアで「政府公用車から発見」と報じられていたものが、のちに「首相の公用車」であったと具体的に特定された)
• 発見の経緯: 英国の治安当局が政府車両に対して実施した、防諜のための詳細なセキュリティ一掃検査(スイープ)の際に発見された。
• 対象となった首相: 2022年はボリス・ジョンソン、リズ・トラス、リシ・スナクの3名が首相を務めた激動の時期であり、具体的に誰の車両だったのかまでは公に特定されていない。ただし、3人とも車両はレンジローバー・センチネルを使用していた。

2.デバイスの正体と仕組み
仕込まれていたのは、車両の深部(中国から出荷された密閉済みの自動車部品の内部)に組み込まれていた「SIMカード」だった。
• 機能: モバイルネットワーク(携帯電話回線)を介して、車両の位置情報や走行データ、その他の機密データを中国側へ遠隔送信できる状態になっていた。
• 巧妙な手口: 車両の製造・組立段階で、サプライチェーン(部品供給網)の隙を突いて最初から部品内に埋め込まれていたとみられている。
れにより、後から物理的に盗聴器を仕掛けるよりも発覚のリスクを大幅に下げていた。
3.なぜこれが大きな問題なのか?
現代の自動車(コネクテッドカー)は「走るコンピュータ」と呼ばれており、この疑惑は単なる「1台の車の盗聴」に留まらない深刻な構造的リスクを浮き彫りにした。
• サプライチェーンの脆弱性: 自動車メーカーが中国製の部品(ECUや通信モジュールなど)に依存している場合、完成車全体の安全性を担保することが極めて困難になる。
• 移動パターンの捕捉: 首相のリアルタイムな位置情報や移動ルート、頻繁に訪れる場所のデータが他国に渡ることは、暗殺や外交妨害、情報漏洩に直結する最悪の安全保障リスクとなる。
• 政府の警戒: この一件以降、英国防省(MoD)などの政府機関では、職員が利用する中国製電気自動車(EV)に対して「機密の会話を控えること」「政府の機器を接続しないこと」を警告するステッカーを貼るなどの対策を講じる事態に発展している。
英国政府は安全保障上の理由から、この件に関する詳細なコメントを公式には避ける傾向にあるが、議会や防諜の専門家の間では「中国による経済的・技術的依存を利用したスパイ活動」の典型例として非常に強く警戒されている。
ところで、英国首相は国家元首でないとはいえ、米国大統領専用車のまるで装甲車のような化け物に比べて何とショボいことか。しかもセキュリティに大きな問題があったとか、流石は落ち目の英国という事か。