現代における「サイバー戦争の脅威」と国家レベルのハッカー集団(APT)の実態


今後増々エスカレートしていくであろう「サイバー戦争」に関して、「APT(Advanced Persistent Threat:持続的標的型脅威)」(特定の組織や企業を標的に定め、潜伏しながら長期にわたって機密情報を盗み出す一連の高度なサイバー攻撃手法 )の実態についてまとめる。

1.サイバー戦争の本質と特徴

• 標的は市民と生活インフラ:サイバー戦争の武器はミサイルではなく「パソコン・ネットワーク」であり、標的は軍隊ではなく一般市民の生活インフラ(電力、水道、通信、交通、金融など)だ。

• インフラ麻痺による大混乱:電力や水道が停止すると、季節によっては多数の熱中症や死者が発生するほか、交通機関の停止や金融決済の不能により社会・経済が即座に麻痺する。

2.サイバー兵器の歴史と具体的事例

• Stuxnet(スタックスネット):
◦ 2010年頃に発覚した、アメリカとイスラエルが共同開発したとされる世界初の本格的サイバー兵器。
◦ イランのナタンツ核施設において、インターネットに接続されていない隔離環境(エアギャップ)に対し、USBメモリ等を介して遠心分離機制御システムに侵入し、物理的に破壊・不能化させた。

• BlackEnergy(ブラックエナジー):
◦ ロシア系APT(国家支援型ハッカー集団)「サンドワーム」が使用したマルウェア。
◦ 2015年にウクライナで世界初となるサイバー攻撃による大規模停電を引き起こした。

3.高度な侵入工作と軍事作戦への利用

• 極めて緻密な工作手口:ネット非接続環境であっても、内部協力者やメンテナンス作業員のPCを介してデータ(稼働データ等)を無意識に持ち出させ、偽装サーバーへ転送して分析・実機テストを行った上で攻撃プログラムを送り込むという非常に複雑な手順が踏まれている。

• 複合的な軍事・諜報活動:実際の軍事作戦前には、相手国のレーダー網や電力をハッキングで落としたり、防犯カメラや個人の端末を乗っ取って要人の位置情報を把握・監視するなど、サイバー攻撃が重要な事前準備として用いられている。

4.平時からの潜伏と防衛の難しさ

• 平時からのマルウェア潜伏:サイバー戦争は有事になってから突然始まるのではなく、平時の段階から相手国のインフラ等へ悪意のあるプログラムを潜伏させておくのが主流となっている。

• スノーデン氏の証言:元CIA職員のエドワード・スノーデン氏の証言によると、米国自身も将来の交渉や有事に備えて日本などのインフラに潜伏型プログラムを設置していたとされている。

• インフラ防衛における構造的問題:インフラ機器にマルウェアが潜伏している疑いがあっても、それを検証(フォレンジック)・駆除するためには新幹線や電力網などの社会インフラを長期間停止させる必要があり、現実的に社会生活を止められないため調査・駆除が非常に困難であるという現実がある。

日本のように役人が情弱でしかも中国新派が多い実情では、既に多くのマルウェアが潜伏しているとみて間違いないだろう。これは早急に対策が必要だが、さて現実はどうだろうか。

これについては、続編にて