平口法相「沖縄に対する中国の動向に注意必要」と明言


4日の衆院予算委員会で、参政党・和田政宗議員が以下の質問を行った。その内容とは‥‥

和田議員は、沖縄県内における米軍基地の移設反対運動や自衛隊のミサイル配備反対運動の中に、中国が関与している可能性を示す具体的な3つの事例を挙げ、政府の認識と今後の対策を質問した。

和田政宗議員の質問要点(3つの指摘事例)
① 自衛隊駐屯地での抗議活動と中国訪問団:陸上自衛隊の勝連分屯地(うるま市)において、地元のミサイル配備反対派と中国からの訪問団が合流し、共に配備反対の要求活動を行っていた事例を指摘した。

② 辺野古移設反対運動における「独立論」の掲揚:米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設反対運動の現場において、「琉球独立」を掲げる旗が実際に使用されている現状を挙げた。

③ 抗議船への中国メディア関係者の同乗報道:ヘリ基地反対協議会が運用する抗議船に、中国共産党の機関紙『人民日報』系のメディアである『環球時報』の記者を同乗させ、立ち入り禁止水域に接近したという報道があることを指摘した。

和田議員の主張と問題提起
「沖縄の基地反対運動と中国との間に、明確な関連性の可能性が疑われる」

和田議員はこれらの事例を元に、外国勢力が日本国内の世論を誘導・分断しようとする「影響工作」への懸念を表明した。そして、2017年に公安調査庁がまとめた「中国が沖縄で有利な世論を形成し、日本国内の分断を図る狙いがある」という見解について、政府が今もその警戒を維持しているのか、また今後どのような対策をとるのかを強くただした。

この質問に対しての平口洋法相の発言の要点は以下の通り。

法相の発言要点
• 公安調査庁の見解を維持:公安調査庁が2017年(平成29年)版の報告書「内外情勢の回顧と展望」で指摘した「中国が沖縄で有利な世論を形成し、日本国内の分断を図る戦略的な狙いが潜んでいるとみられ、中国の動向には注意を要する」という見解について、平口法相は「その後も特段の情勢の変化はなく、見解に変更はない」と述べた。

• 情報収集と分析の強化を表明:日本国内の分断を狙うような外国による「影響工作(世論誘導や情報戦など)」に対し、今後も公安調査庁が関係機関と連携し、情報収集や分析態勢の強化に取り組む方針を示した。

参考:2017年の公安調査庁報告書の内容
中国国内の大学やシンクタンクが、日本の「琉球独立」を掲げる団体などと学術交流を通じて関係を深めており、その背景には日本国内の世論を分断する戦略的な狙いがある、と推測・記述されている。

この平口法相の発言に対しての中国側の反応は‥‥

平口法相の衆院予算委員会での答弁(2026年6月4日)に対し、現時点で中国政府(外務省など)からの公式な抗議や直接的な対抗コメントは発表されていない。

通常、こうした日本の国会答弁や公安調査庁の報告書(内外情勢の回顧と展望)に関する発言に対しては、中国側はあえて公式な記者会見で個別に言及せず、無視するか、あるいは定例会見で記者から質問された際に「冷戦思考に基づいた、中国のイメージを汚すいわれのない非難だ」といった一般的な反論に留めるケースが多く見られる。

ただし、中国メディアや情報戦の文脈においては、以下のような背景や警戒すべき動きが指摘されている。

① 中国の「環球時報」による反論の過去事例
和田議員の質問でも名指しされた中国共産党機関紙系の『環球時報』などは、過去に「沖縄の独立運動を中国が支援している」といった日本の報道や政府見解に対し、「中国を悪者に仕立て上げるための誇張であり、日本政府が自国の統治への不満(基地問題など)を外国のせいにしているだけだ」といった論評を掲載し、強く反発してきた経緯がある。

② 高市内閣に対する「情報戦(認知戦)」の激化
平口法相が所属する現在の高市早苗内閣に対し、中国側は非常に強い警戒感を示している。特に高市首相が「台湾有事」や安保政策に毅然と言及していることに対抗し、中国側は日本の世論を揺さぶるための「影響工作(偽情報の拡散や世論誘導)」を活発化させていると、民間シンクタンクや情報当局から分析されている。

今回の平口法相の「分断を狙う外国の影響工作に注意する」という発言自体が、まさにこうした中国側のステルス的な情報戦(認知戦)を強く意識したものであるため、中国側としては公式に反論して騒ぎを大きくするよりも、水面下での情報発信や世論誘導を継続する可能性が高いとみられている。