高市首相「来年春まで安定供給を確保できる」との見通しを表明





高市首相「来年春まで安定供給を確保できる」との見通しを表明

高市首相が表明した「来年春までの石油安定供給の確保」は、中東情勢の緊迫化による供給不安に対し、政府が「代替ルートの開拓」「戦略的備蓄の活用」「国際連携」を矢継ぎ早に組み合わせたことで実現した。

当初、政府は「年を越えて確保できる(年明けまで)」としていた見通しを、調達の具体化に伴い「来春まで」へと上方修正(前倒しで強化)している。具体的な確保の手法は以下の3つの柱に基づいている。

1.ホルムズ海峡を避けた「代替調達」の多角化
日本の石油輸入の生命線だった中東の「ホルムズ海峡」が事実上封鎖・緊迫している事態を受け、同海峡を通過しないルートでの原油・石油製品の確保に最大限注力した。

• 米国からの調達拡大: 米国からの輸入を前年比約4倍まで大幅に拡大させた。

• 中東内の別ルートや他地域での開拓: 5月時点で前年実績比の「過半数」にあたる量をホルムズ海峡非経由のルート(中東の別ルート、米国、その他の産油国)からの代替調達に目処をつけている。

2.段階的な「石油備蓄」の機動的な放出
代替調達を進める一方で、どうしても不足する分については日本の強みである豊富な「石油備蓄」を戦略的に取り崩して充てている。

• 政府は民間備蓄の放出(15日分)に加え、国家石油備蓄(約30日分)の放出を順次実行している。

• 代替調達が想定以上に順調に進捗したため、「備蓄の消費スピード(放出量)を当初の予定よりも抑えること」に成功し、結果として供給可能期間を来春まで引き延ばすことができた。

3.周辺国との「エネルギー外交」と融通枠組み
供給網(サプライチェーン)を1国だけで維持するのではなく、国際的な協力体制を強固に構築した。

• 日韓の相互融通: 韓国(李在明大統領)との首脳会談において、中東情勢に備えた原油・石油製品・液化天然ガス(LNG)の「相互融通」やエネルギー供給の安定化で合意した。

• アジア圏での主導権(パワー・アジア): 日本政府は「アジア・エネルギー・資源供給力強靱化パートナーシップ(通称:パワー・アジア)」
を打ち出し、東南アジア諸国などの調達先多角化を支援しつつ、アジア圏全体での備蓄タンク活用や融通の仕組み作りに動いている。

国内のミクロな物流対策も徹底: 全量としての石油の確保だけでなく、国内で一部生じていた「目詰まり(特定の医療機関、運送業、クリーニング業、食品工場などでA重油などの燃料が届かない現象)」に対しても、政府が元売業者へ個別に対策を要請し、一件ずつ直接販売等で解消していく実務的なフォローを行っている。

これまで「年を越せるかどうか」と言われていた日本のエネルギー確保だが、官民が連携した調達先の多角化と備蓄の計画的なマネジメントが功を奏し、年度をまたぐ来春までの見通しが立ったのだった。

ところで、6月にナフサが詰むと言ってパニックを煽った「専門家」は今、どうしているのだろうか。