大手メディア、米・イラン双方が「全面戦争」のリスクが急速に高まっていると報道



イランにおける、現在の緊迫した戦況と対立の構図は以下の通り。

上記の地図が示す通り、この紛争はアメリカ・イスラエル対イランの直接衝突にとどまらず、イランによるミサイルやドローン攻撃が中東の広範な周辺国(地図の紫色で塗られた国々)へと拡大している。これが、大手メディアが「地域全体の全面戦争に発展しかねない」と警告する最大の理由だ。

主要な報道内容のポイントにまとめると‥‥

1. 7夜連続の空爆と「民間インフラ」への標的拡大

• 米軍の猛攻:米中央軍(CENTCOM)はイランに対し7夜連続の大規模な空爆を実施した。

• ターゲットの過激化:これまでは主にイランの軍事施設や防衛システムが標的だったが、直近では橋やエネルギー処理施設といった民間インフラにまで爆撃の手を広げている。これは米軍がさらに大きな軍事行動に移るための「シェイピング・オペレーション(地ならし作戦)」ではないかと米当局者らは指摘している。

2.ホルムズ海峡の封鎖とイランの猛烈な報復

• エネルギー要衝の危機:イランの革命防衛隊(IRGC)は、世界の原油・ガスの約5分の1が通過するホルムズ海峡の「封鎖」を宣言し、民間商船への攻撃を行った。

• 周辺国への飛び火:イランは米軍の空爆への仕返しとして、米軍基地や拠点があるヨルダン、バーレーン、さらにはクウェートの発電所や海水淡水化プラントといった重要インフラに対しても、容赦なくミサイルやドローンを撃ち込んでいる。

3. 暫定停戦合意(MOU)の完全な崩壊

• わずか1カ月で決裂:先月(2026年6月17日)に、トランプ米大統領とイランのペゼシュキアン大統領の間で結ばれたばかりの60日間の暫定停戦合意(イスラマバード覚書)は、事実上完全に崩壊した。

• 「停戦は終わりだ」:トランプ大統領はすでに「停戦は終わった」と言明しており、さらなる大規模な報復を命令している。現時点では、イランの核施設や石油ハブであるハルク島への爆撃、最悪のケースとして限定的な地上部隊の投入すら政府内で議論され始めている。

【経済・政治への影響】

この衝突激化を受け、世界の原油価格が再び高騰し、金融市場に大きなショックを与えている。また、11月に米中間選挙を控えるトランプ大統領にとっては、国内のガソリン価格上昇や支持率の低迷に直結するため、政治的にも非常に厳しい局面に立たされている。

双方とも本音では泥沼の全面戦争を避けたいものの、引くに引けない「報復の応酬」の罠にはまっており、事態の打開策(出口戦略)がまったく見えない状態だと大手メディアは深刻に伝えている。