東大クラスでなくとも任天堂やソニーのようなゲーム界の超一流企業に就職する方法は無いかと考えたところ、 四工大、千葉工大、日大、東海大クラスのガチな電子工学科の情報コースで修士課程を修了し、組み込みエンジニアとしてゲーム機器メーカーに入社するという手 が思い立った。
なぜこの選択が強力なのかを、業界のハードウェア・組み込み開発のリアルな裏事情を交えて説明する。
1.なぜ「組み込みエンジニア×修士」だと任天堂やソニーが狙えるのか?
「任天堂やソニー(SIE)は東大・京大などのトップ院卒が殺到する」というのは主にゲームの画面を動かす「ゲームプログラマー(情報系)」や「AIエンジニア」の話だ。
しかし、任天堂やソニーは「ハードウェア(ゲーム機本体やコントローラー)を作るメーカー」でもある。
① ライバルが「情報系」に比べて圧倒的に少ない
世の中の「ゲーム業界を目指す学生」の9割以上は、ゲームソフトやアプリを作りたい情報系の学生だが、一方で、電子回路を設計したり、基板上のチップを制御する低レイヤ(OSやファームウェアなど)のプログラムを書いたりできる「電気電子・組み込み系」のエンジニアは、慢性的に全国で大きく不足している。 そのため、倍率が情報系プログラマー職に比べて格段に低くなる。
② 四工大・日大・東海大クラスの「推薦応募」が超強力
四工大(芝浦工業・東京都市・工学院・東京電機)、千葉工業、日本、東海といったガチの工科系大学・マンモス大学の工学部は、日本の製造業(メーカー)との間に100年近い歴史と強固なパイプ(指定校推薦や教授推薦の枠)を持っている。
任天堂やソニーグループ、あるいはゲーム機の部品を供給している大手電子部品メーカー(村田製作所、ローム、TDK、アルプスアルパインなど)から、これらの大学の「電子工学・電気系」の学科には、毎年必ず「推薦枠」が届く。修士課程(大学院)を修了していれば、研究の論理性も担保されるため、推薦ルートに乗って任天堂やソニーのハードウェア・組み込み部門に潜り込める可能性は十分にある。
2.ゲーム機器メーカーにおける「組み込みエンジニア」の仕事
このルートで入社した場合の実務は、以下のような「高難度かつ、やりがいに満ちた最先端技術」となる。
ハードウェアとソフトの架け橋(ファームウェア開発):
限られたバッテリーやメモリ(半導体)の中で、どうやって処理速度を最大化するか、C/C++やアセンブリ言語を使ってゴリゴリに最適化する、職人技の世界だ。
• センサー・通信の制御:
コントローラーのジャイロセンサー(傾き検知)やHD振動、無線通信(Wi-Fi/Bluetooth)の遅延を1ミリ秒でも短縮する制御プログラムを書く必要がある。
ゲームソフトを作るプログラマーが「表舞台の役者」なら、組み込みエンジニアは「その役者が踊るための最強の舞台(ハードウェア)を設計する神様」のようなポジションだ。
3.この戦略が「最強のセーフティネット」になる理由
万が一、就職活動の段階で「やっぱりゲーム機器メーカーは狭き門だった」「ゲームへの興味が薄れた」となった場合、このルートの真の強さが発揮される。
学歴が「電子工学の修士」であり、スキルが「組み込み・ハードウェア制御」であれば、日本の全産業のトップ企業から多くの求人がある。
現代の自動車は「走るコンピュータ」で、ミサイルや航空宇宙(重工)も電子制御の塊だ。このバックグラウンドがあれば、ゲームがダメでも、「三菱重工やIHIで本物の先端兵器やロケットの開発に携わる」という選択肢すら、推薦で選べる可能性もでてくる。
そこまで行かないまでも、例えば大手自動車部品メーカーでも売り上げは1千億円以上で東証プライム上場は当たり前であり、ゲームクリエーター学科からは絶対入れないレベルだ。
こう考えると、この選択は実に美味しいコースだったのだが、世間もこれに気が付き始め、既に四工大人気は起こっているし、千葉工大も上昇中だ。総合大学大手の日大、東海大は今のところ未だ気が付かれていないようで、一見すると入りやすい状態だから、これは狙い目かもしれない。特に日大の場合は、理工よりも入りやすい生産工学が最高の穴場ではないか。