コロナ禍のマスクや米不足、そして今度はナフサ不足、マスコミと転売屋の悪事は止まらない





コロナ禍のマスクや最近の米不足の顛末は、買い占めた転売屋が不良在庫を抱えて大損失を被っているにも関わらず、ナフサ不足というマスコミの煽りで品不足になるという、またまた同じ失敗をやらかしそうだ。

なぜ日本社会はこの「買い占め・パニックのループ」から抜け出せないのか、その構造的な背景(体質)にはいくつかの要因が絡み合っているという。

1.メディアの「恐怖マーケティング」とPV至上主義
マスコミやネットニュースの報道体質は、残念ながらSNS時代になってさらに悪化している。

• 正確性よりインパクト: 「ナフサが不足するかもしれない」という構造的なニュースが、「明日からプラスチック製品が消える!」といった刺激的な見出しに変換される。

• PV(閲覧数)の追求: 不安や怒りは最も拡散されやすい感情で、メディア側も「煽れば数字が取れる」という成功体験から抜け出せていない。

2.転売屋の「学習能力の歪み」
マスクや米の転売屋は最終的に大損(爆死)しているケースが多々ある。それなのに彼らがやめない理由は、彼らのビジネスモデルの歪さにある。

• 短期利得の誘惑: 「初期の数週間さえ売り抜ければ、後半に大暴落して在庫を抱えてもトータルでプラスになる」というギャンブル的な計算で動いている。

• 参入障壁の低さ: フリマアプリの普及により、「素人転売屋」が毎回新しく流入しくる。過去の失敗を学んだベテランが手を引いても、知識のない新規参入者が「次のトレンド」として飛びついてしまうため、全体としての行動が変わらないのだ。

3.消費者の「同調圧力」と「機会損失への恐怖」
日本社会特有の「みんなが買っているから」「念のため」という心理も、この体質を強固にしている。

• 合理性より安心感: 「在庫は十分ある」という冷静なデータよりも、「目の前の棚が空になっている」という視覚的恐怖が勝ってしまう

• 囚人のジレンマ*: 「自分1人が買い控えをしても、他人が買い占めたら自分が困る。それなら自分も買っておこう」という心理が働き、結果として全員で品不足を作り出してしまう。

*お互いに協力する方が良い結果になると分かっていても、「自分だけが裏切った方が得をする」というインセンティブ(動機)が働くために、結果として両者とも最悪の選択をしてしまうというゲーム理論の有名なモデル

この体質は治らないのか?
結論から言うと、「人間の心理(不安・欲望)に根ざしているため、根本的な『体質』を完全に治療するのは非常に難しい」というのが現実だそうだ。

しかし、社会のシステム側で「実害を減らすアップデート」は少しずつ進んでいる。
• プラットフォーム側の規制強化: メルカリやヤフオクなどが、特定商品の出品禁止措置をとるスピードは確実に早くなっている。

• メーカーの発信力: 企業側が公式SNSなどで「在庫は山ほどあります」「焦らないでください」とダイレクトに消費者に安心を届けられるようになり、メディアの煽り効果を相殺する動きが出ている。

結局のところ、転売屋に大損失を抱えさせ続ける(=買わない)ことと、「またやってるな」と一歩引いてニュースを見るリテラシーを持つことが、この不毛なループを冷ます一番の特効薬なのかもしれない。