国家サイバー統括室(National Cybersecurity Office、略称: NCO)は、日本のサイバー安全保障政策の司令塔として2025年7月1日に内閣官房に設置された行政機関だ。
前身である内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)を改組して創設され、日本政府が新たに導入した「能動的サイバー防御(Active Cyber Defense: ACD)」の全体調整と指揮を担う中核組織として機能している。
🔷主な所掌事務と権限
」の主な所掌事務と権限-1024x765.jpg)
• 能動的サイバー防御(ACD)の指揮
重大なサイバー攻撃の予兆を検知した際、警察庁(サイバー特別捜査隊)や防衛省(自衛隊サイバー防衛隊)の実動部隊と連携し、攻撃元サーバーへのアクセスやマルウェアの無害化、通信遮断などの反撃・防御措置を指揮する。
• 重要インフラ事業者への監督・介入
指定された基幹インフラ事業者(15分野、250者以上)に対し、重要システムの届出や重大インシデントの報告義務を課すとともに、セキュリティ確保のための監査、報告徴収、是正命令を行う強い権限を持つ。
• 行政機関ネットワークの監視・監査
政府の各省庁における情報システムに対する不正活動の監視、重大事象の原因究明のための調査、および監査・指導を実施する。
• 脅威情報の収集と官民連携
日本を経由する海外関連通信のメタデータ(IPアドレスや通信量など)を分析して攻撃の予兆を検知し、セキュリティクリアランス制度等を通じて得た最新の脅威インテリジェンスを民間事業者へ即時に共有する。
🔷 組織体制
の組織体制と役割-1024x765.jpg)
NCOのトップである「統括官」は、軍事・外交上の安全保障政策とサイバー防衛の運用を完全に一致させるため、国家安全保障局(NSS)の次長が兼務する設計となっている。実務は以下の専門ユニット等に分かれて遂行されている。
• 総括・戦略ユニット
• 制度・監督ユニット
• 国際戦略ユニット
• 対処調整・官民連携等ユニット
• 能動的サイバー防御運用総括ユニット
• サイバー情報ユニット
2026年10月に相次いだ大規模な情報漏えい事案や、PHPおよびGoogle Chromeなどの重大な脆弱性が発見された際には、企業や自治体の経営層に向けて直接緊急の注意喚起やアップデートの呼びかけを行うなど、JPCERT/CCと共に日本のナショナルCSIRTとしての役割を実質的に担っている。