話題の中国製最先端AI、kimik3のデータセンターはどこにあるのか


話題のkimi k3は省資源とはいうものの、そのシステムは巨大ともいえる。同社はデーターセンターをどこに置いているのだろうか。また、米国による輸出規制でだろうか?

Moonshot AIが手掛ける「Kimi K3」は、総パラメータ数2.8兆という超巨大モデルでありながら、高度なアルゴリズム設計とインフラ調達戦略を組み合わせることで、米国の厳しい輸出規制やリソース制約に対応しているという。

Moonshot AIのデータセンターの所在と、米国規制(先端GPU入手難)への対処法は‥‥

1. データセンターはどこにあるのか?

Moonshot AIは自前で大規模な単一データセンターをすべて所有・運用しているわけではなく、国内大手クラウド事業者との提携と海外拠点の利活用を組み合わせたハイブリッドな計算基盤を構築している。

• 中国国内の主力拠点(アリババ等のクラウドインフラ)
◦ 本社は北京に位置し、主な計算基盤として筆頭株主・出資者でもあるアリババ(Alibaba Cloud)などの国内巨大クラウドベンダーのデータセンター施設を利用している。アリババのクラウド環境内に大規模なNVIDIA GPUクラスタを構築し、モデルの運用や学習の軸としている。

• 東南アジアなど海外データセンターのリモート利用
◦ 欧米メディアや米国当局の調査によると、Moonshot AIはタイなどの東南アジア地域にあるデータセンターやクラウド拠点を経由して、最先端の計算リソースへリモートアクセスする環境を設けていると報じられている。

2. 輸出規制(最新GPU不足)にどう対処しているのか?

NVIDIA H100やBlackwell(B200/GB300等)といった最先端AIチップの対中輸出規制に対し、Moonshot AIは「ソフト(設計)側の徹底的な効率化」と「ハード調達・利用面での抜け道と分散活用」の双方からアプローチしている。

① アルゴリズムとアーキテクチャによる「超・省資源化」
2.8兆パラメータという巨大さを現実の計算力で動かすため、Kimi K3はモデル設計自体を根本から省資源化している。

• Mixture of Experts(MoE)によるスパース化
◦ 2.8兆個のパラメータを毎回すべて動かすのではなく、内部に「896の専門家(Expert)モデル」を配置し、1トークン処理あたり16個の専門家(約1,040億パラメータ分=全体の数%)のみを作動させている。

これにより、推論時の計算量を1/20以下に抑えている。

• 独自のアテンション機構(KDA)でメモリ削減
◦ 100万トークンの超長文処理においても、従来のTransformerのようにメモリ(KVキャッシュ)が爆発しないよう、固定長状態で文脈を保持する「Kimi Delta Attention(KDA)」を導入し、GPUメモリ消費量を大幅に節減している。

• 極限の4ビット量子化(MXFP4)
◦ モデルの学習・配布段階から4ビット量子化前提(MXFP4形式)で設計されており、2.8兆モデルのウェイト全体を約1.56TBにまで圧縮している。これにより、少数のGPUノード群でも巨大モデルを保持・並列稼働できるよう工夫されている。

② リモートクラウドや海外拠点を活用した学習リソース確保
• クラウドレンタル・リモートアクセスの活用
◦ 最先端のBlackwell(GB300など)直購入が規制されているため、東南アジア等の海外データセンターに設置された最先端サーバー群をクラウド経由(リモートレンタル)でアクセスして学習に利用することで、ハードウェアの物理所有ルールを回避・活用していると指摘されている。

③ 推論運用には規制クリア型チップ(HGX H20等)をクラスター化
• 規制適合チップの分散並列処理
◦ ユーザーからの日常的なリクエストに応える推論(Inference)フェーズでは、米国規制に適合させた中国市場向けチップ「NVIDIA HGX H20」などを大量に組みあわせた分散クラスタ(64基構成〜)を構築し、コスト効率を高めてサービスを提供している。

このようにMoonshot AIは、「最新GPUが手に入りにくい前提で、1トークンあたりの計算コストをミリ単位で削減する構造(MoE+KDA+4bit量子化)」を突き詰めると同時に、「国内クラウド(アリババ等)と海外拠点を組み合わせたインフラ確保」によって、巨大AIモデルの構築と日常運用を成立させている。