イスラエルはトランプ暗殺計画をどこから入手したのか


イスラエルがトランプ大統領暗殺計画情報を「具体的にどうやって入手したのか」という正確な経路や情報源(ソース)は、安全保障上の最高機密であるため、公式には一切明かされていない。

しかし、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)やCNNなどの報道内容、およびイスラエル情報機関の過去の活動実績から、軍事・諜報の専門家らは主に3つのインテリジェンス(諜報)手法のいずれか、あるいは組み合わせによって入手したと分析している。

1.SIGINT(通信・電子情報の傍受)
今回、最も可能性が高いとみられているのが、イラン政府やイラン革命防衛隊(IRGC)の高官たちの通信を傍受するサイバー工作だ。

米当局者の中に「今回の情報は、イラン高官らの間で交わされた対話レベルのもの」と分析する声があることから、イスラエルがイラン側の暗号化された通信網、携帯電話、またはメールサーバーなどに侵入し、彼らの会話やメッセージを直接傍受(盗聴)した可能性が強く示唆されている。イスラエルは世界最高峰のサイバー諜報技術を持っていることで知られている。

2.HUMINT(人的情報・内部スパイの網)
イスラエルの対外情報機関「モサド」や軍情報部(アマン)は、イランの国家中枢や革命防衛隊の内部に、深い協力者(スパイ)のネットワークを構築しているとされている。

過去にイスラエルは、イラン国内の厳重に保管されていた核開発の機密文書を丸ごと盗み出したり、イラン国内で要人の暗殺に成功したりしている。今回も、暗殺計画の策定に関わった、あるいはその情報を知り得る立場にあるイラン内部の人物から、直接情報がもたらされた可能性も排除できない。

3.周辺ネットワーク(「抵抗の軸」)からの漏洩
イランはレバノンのヒズボラやシリアの民兵組織など、中東地域の代理勢力を動かして活動することが多く、暗殺のような大がかりな作戦では、これら国外のネットワークに指示や準備が伝わることがある。イスラエルはこれらの組織を24時間体制で徹底的に監視しているため、本国(テヘラン)から国外の拠点へ送られた不審な動きや指令を察知し、そこからトランプ氏をターゲットにした具体的なプロットを逆探知したという見方もある。

米国が「独自につかめていなかった」という事実
メディアの報道で注目されているのは、米国の情報機関(CIAなど)が、イスラエルから警告を受けるまで「この具体的な暗殺計画を独自に検証できておらず、追跡もしていなかった」という点だ。

米国もイランからの一般的な脅威(ソレイマニ司令官殺害の報復宣言など)は常に警戒していたが、今回の「ピンポイントな新しい計画」に関しては、イスラエルが持つ独自かつ非常に強力な(米国すらアクセスできない)イラン内部への情報ルートからしか得られなかった情報だったことを物語っている。