「あさぎり型」護衛艦のインドネシア輸出交渉の状況は





海上自衛隊の「あさぎり型」護衛艦のインドネシアへの輸出(譲渡)計画は、まさに今、政府間で公式に具体的な協議がスタートした段階だ。

これまで東南アジア向けには、新型の「もがみ型(FFM)」の商談(共同生産など)が長らく取り沙汰されていたが、退役が近づく既存の「あさぎり型」を対象とした具体的な輸出協議が公式に合意されたた。

現在の進捗状況をいくつかのポイントに整理してまとめる。

現在までの進捗とポイント

🔷政府間で「協議開始」を公式合意
2026年6月5日、小泉進次郎防衛大臣とインドネシアのシャフリィ国防大臣が東京都内で会談し、あさぎり型護衛艦の輸出に向けた協議を開始することで一致しました。これで単なる「噂」や「打診」のフェーズから、政府間の正式なアジェンダへと格上げさた。

🔷「単にモノを売る(渡す)」だけではないパッケージ
防衛省の発表によると、インドネシア側(シャフリィ国防相)は防衛装備や技術協力を具体化することに非常に前向きな姿勢を示している。 今回の協議では、艦艇そのものの引き渡しだけでなく、以下の運用基盤もセットで議論されることが確認されている。
• 教育訓練(インドネシア海軍が艦を乗りこなすための訓練)
• 維持整備(部品供給やメンテナンスのノウハウ)
• 運用サポート

🔷 実務者協議の枠組みを活用
このあさぎり型に関する議論は、2026年5月に新設されたばかりの「日・インドネシア防衛実務者協議」の枠組みに乗せて、今後スピーディーに進められる見通しだ。

💡 背景にある意図: インドネシアは南シナ海のナトゥナ諸島周辺の排他的経済水域(EEZ)において、中国の海洋進出や違法操業という現実的な脅威に直面している。

日本としては、艦歴が約30年近くとなり海自では順次退役していく「あさぎり型」をインドネシアへ移転(または無償提供含む商談)することで、海洋安全保障における結びつきを強め、対中牽制(けんせい)を図る狙いがある。

現状は「契約調印」や「引き渡し時期の決定」までは至っておらず、「どのような条件で、何隻を、いつ頃、どうパッケージして渡すか」の具体的な中身を詰める交渉のテーブルに着いたところ、と言える。