キンペイが自ら北朝鮮を訪問したのは、日本海に出るために羅津港を軍区として使用したいため





習近平主席がわざわざ自ら北朝鮮を訪問したのは、日本海にでるために羅津港を軍区として使用したいためと言われている。もしもこれが実現した時の戦略的な問題、とりわけ日本にとっての脅威は甚大となる。

習近平主席による北朝鮮訪問、およびそれに伴う羅津(ラジン)港の利用権の更新(租借・軍区化への足がかり)や図們江(トマンガン)からの日本海出海権の確保の動きは、東アジアの軍事バランスを劇的に変える可能性を秘めている。

地理的制約から、これまで中国海軍は日本海に直接面した拠点を持っていなかったた。もし羅津港が中国の軍事拠点(軍区・事実上の海軍基地)として実質的に機能し始めた場合、日本にとって極めて深刻な安全保障上の脅威となる。

その具体的な戦略的問題と、日本にとっての主な脅威を以下に示す。

日本海における「対馬海峡」の戦略的意味の激変
これまで中国海軍の艦船が日本海へ進出するためには、東シナ海から対馬海峡(あるいは津軽海峡、宗谷海峡)という狭いチョークポイント(海上交通の要衝)を必ず通過しなければならなかった。自衛隊や米軍は、この海峡を監視することで中国軍の動きを容易に捕捉・抑止できていたのだった。

しかし、羅津港を軍事拠点化すれば、中国海軍は最初から日本海の内部に常駐・展開することが可能になる。

• 奇襲リスクの増大: チョークポイントでの監視の目が通用しなくなり、日本海側からいつでも日本本土や在日米軍基地に接近できる状態が生まれる。

• 防衛ラインの激変: 従来の「東シナ海・第一列島線」を主眼とした日本の防衛網は、手薄だった「日本海(裏日本)側」への広大な防衛リソースの割割を余儀なくされる。

北朝鮮・中国・ロシアによる「北方三角同盟」の結節点化
羅津は北朝鮮、中国、ロシアの国境が交わる極めてデリケートな位置にある。近年、ウクライナ情勢を経てロシアと北朝鮮が軍事的に急接近し、そこに中国が羅津港の利権を絡めて合流する形になる。

• 三カ国海軍による共同圧力: 羅津を足がかりに、中・露・北による日本海での合同軍事演習や共同パトロールが常態化する恐れがある。

• 米中衝突時の安全地帯: 仮に台湾海峡などで米中衝突(台湾有事)が発生した場合、中国軍の艦船や潜水艦が米軍の届きにくい日本海(中露北の庇護下)に退避・潜伏し、そこから反撃を狙う「安全な出撃拠点」として羅津が機能してしまう。

日本本土(原発・都市)へのミサイル・潜水艦の脅威の近接
地政学的に、日本海を挟んで日本の主要都市やインフラ(特に福井県などの日本海沿岸に集中する原子力発電所)が、羅津の「目の前」に位置することになる。

• 超至近距離からの弾道・巡航ミサイル脅威: 中国海軍の055型駆逐艦などの有力な水上艦や潜水艦が羅津に配備されれば、日本を射程に収める巡航ミサイルを日本海中央部からいつでも発射可能な状態になる。

• 潜水艦作戦の優位: 日本海は水深が深く、潜水艦が潜伏しやすい海域であり、中国の潜水艦が対馬海峡を通らずに直接この深海にアクセスできるようになれば、海上自衛隊の対潜哨戒網(P-3CやP-1などによる監視)への負担は臨界点に達する。

日本海における海上交通路(シーレーン)の脅威
日本海は、日本がロシアや欧州(北極海航路など)、あるいは韓国と交易を行うための重要な海上交通路であり、また日本の排他的経済水域(EEZ)内にある「大和堆(やまとたい)」などの好漁場も存在する。

• 中国海軍・海警局の船が羅津を拠点に日常的に巡回を始めれば、日本の漁船への圧力や、有事における日本の海上輸送の遮断(海上封鎖)が容易に達成されてしまう。

結論:日本の防衛構造の根本的な見直しが必要に
中国が羅津港を手に入れ、太平洋への出口として日本海に足場を築くことは、日本にとって「フロントライン(最前線)が東シナ海だけでなく、日本海側にも同時に出現する」ことを意味する。

これは正面装備(ミサイル防衛や艦艇)の配置転換だけでなく、海上自衛隊・航空自衛隊の配備バランスの根本的な見直しを迫られる、極めて深刻なシナリオだ。