【速報】トランプ大統領が19日に予定していたイラン再攻撃を延期を表明





トランプ大統領が5月19日に予定していたイランへの再攻撃(軍事攻撃)の延期を表明した主な理由は、中東の湾岸諸国の首脳陣からの直接の要請と、イラン側からの新たな交渉提案による外交的進展の可能性だという。

1.湾岸諸国首脳による仲介と要請
トランプ大統領は自身のSNS(Truth Social)や記者団への発言の中で、カタールのタミーム首長、サウジアラビアのムハンマド皇太子、UAE(アラブ首長国連邦)のムハンマド大統領といった湾岸諸国のリーダーたちから、「攻撃を一時保留してほしい」との要請を直接受けたことを明かした。

2.イラン側の新提案と合意への期待
湾岸諸国は米国に対し、イラン側から中東での紛争を終結させるための「新たな提案(パキスタンなどを介した仲介案を含む)」が提示されたことを伝えている。 トランプ大統領は、「米国にとって非常に受け入れ可能な(イランに核兵器を持たせない)合意が間近に迫っていると彼ら(湾岸首脳)が考えているため、2〜3日攻撃を見送ることにした」と述べ、爆撃を行わずに外交解決ができるチャンスがあるならそれを優先したいという意向を示した。

今後の懸念と軍への指示
一方でトランプ大統領は、今回の延期は「一時的な措置(一時保留)」であることを強調している。国防長官や米軍幹部に対しては、「もし受け入れ可能な合意に達しなければ、いつでも即座に(a moment’s notice)イランへの全面かつ大規模な電撃攻撃を開始できるよう準備を整えておけ」と命じており、強い軍事的圧力をかけたまま交渉を見守る構えを崩していない。

それでは、米国にとって非常に受け入れ可能な(イランに核兵器を持たせない)合意の内容はどのようなものか推定すると‥‥

トランプ政権が掲げる「米国にとって非常に受け入れ可能な(イランに核兵器を持たせない)合意」について、これまでの交渉経緯や米高官・シンクタンクなどの分析から、以下のような極めて厳格かつ包括的な枠組み(いわゆる「最大限の圧力」の最終ゴール)が推定される。

2015年のイラン核合意(JCPOA)の「穴」をすべて埋め、イランの核武装能力を根底から解体することが柱となっている。

1.高濃縮ウラン(HEU)の完全な国外搬出と「濃縮ゼロ」
• ウラン在庫の全廃:イランが現在保有している高濃縮ウラン(兵器級に近いものを含む)の蓄積をすべて米国または第三国(パキスタンなど)へ引き渡し、完全に廃棄・搬出させること。

• 濃縮活動の全面停止:2015年合意で容認されていた「低濃縮ウランの国内製造」すら認めず、遠心分離機の大半を解体し、今後のウラン濃縮活動を完全に凍結(または商業用も含め極めて限定的なレベルに制限)すること。

2.核関連施設の「不可逆的な解体」と抜き打ち査察の永続化
• 地下施設の無力化:フォルドゥやナタンズといった、米イスラエル軍の空爆にも耐えうる地下の堅固な核施設・濃縮施設を、単なる一時停止ではなく「二度と使えない形での解体(不可逆的な無力化)」を求める。

• 「いつでも、どこでも」の査察権:国際原子力機関(IAEA)に加え、米国が主導する査察団に対し、イラン国内の全軍事基地を含むあらゆる場所への事前通告なしの立ち入り(抜き打ち査察)を永久に認めさせる。

• サンセット条項(期限)の排除:従来のJCPOAにあった「10〜15年で制限が失効する(サンセット条項)」を認めず、「永久に核兵器を持たない」ことを義務付ける。

3.ミサイル開発制限と「地域での敵対行動」の停止(包括的パッケージ)
トランプ大統領が求める合意は、単なる「核の制限」にとどまらない。
• 弾道ミサイル開発の禁止:核弾頭を搭載可能な中長距離弾道ミサイルや巡航ミサイルの開発・実験を完全に禁止すること。

• 代理勢力への支援停止:イエメンのフーシ派、レバノンのヒズボラといった親イラン武装組織に対する武器・資金援助を即座に停止させ、紅海やホルムズ海峡など周辺海域の安全(航行の自由)を担保すること。

現状のイラン側提案との「ギャップ」
パキスタンなどの仲介でイラン側が提示したとされる最新の提案では、「米国やイスラエルからの長年の制裁解除、およびこれまでの戦争(紛争)による経済的損失の包括的な補償」を条件に、一部の核インフラの解体やウラン在庫の制限に応じる、という内容が含まれている模様だ。

しかし、米政府高官からは以下の懸念が漏れている。

米高官らの本音
「イラン側は『戦争終結』の見返りとして核の譲歩を提示しているが、核兵器開発の核心部分を温存しようとしており、依然として不十分である。イラン側が『核の約束と引き換えに終戦を迎えることは絶対にない(主権の侵害)』と反発している以上、トランプ大統領が満足するレベルの『完全解体』にはまだ遠い」

トランプ大統領が「いつでも大規模攻撃を再開できる」と軍に命じているのは、この「完全解体(米国にとって受け入れ可能なライン)」を引き出すための最後の外交的ブラフ(脅し)をかけている状態だからと言える。