Tass通信が「Israel ready for possible resumption of military operation against Iran —defense minister
」(イスラエルはイランに対する軍事作戦再開の可能性に備えている――国防相)と報道している。
また、イランの報道でもトランプ氏が24時間以内に再攻撃を決定するとも言われており、これは近いうちに戦闘が再開するのだろうか。
このように、ここ数日(5月中旬)の報道は緊迫の度を増しており、「いつ停戦が崩壊して全面的な戦闘(再攻撃)が再開してもおかしくない極めて危険な局面」を迎えているのは間違いない。
1.報道の事実関係と「24時間」の真意
① イスラエル国防相の発言(Tass通信など)
イスラエルのカッツ国防相が「対イラン軍事作戦を再開する準備ができており、任務はまだ完了していない」と発言したのは事実であり、4月に始まった暫定停戦中も、イスラエル側はイランの核開発や弾道ミサイル拠点が完全に解体されていないことに強い不満を持っていた。今回の発言は、「交渉が不調に終われば、我々は即座に第2波の猛烈な攻撃に踏み切る」という軍事的なデモンストレーション(威嚇)だ。
② 「24時間以内にトランプ氏が決定」の正体
イスラエル高官が地元メディア(Channel 12など)に語ったところによると、パキスタンや中国が仲介していた米ーイラン間の和平交渉(イスラマバード会談)は、イラン側が核開発の条件で譲歩を拒否したため「事実上、デッドロック(行き詰まり)」に乗り上げている。 これを受け、イスラエル側は「トランプ大統領の最終判断を待っており、24時間以内に(次の展開が)判明するだろう」として最高警戒態勢に入った。イラン側の報道が「24時間以内に再攻撃が決定される」と報じているのは、このイスラエル側の動きを警戒・逆利用したものだという。
2.近いうちに戦闘は再開するのか?(今後の焦点)
結論から言うと、「今週末から来週にかけてが、文字通りの正念場(分水嶺)」となる。ただし、すぐに全面衝突に戻るかどうかは、以下のトランプ氏の「二面性」にかかっている。
パターンA:トランプ氏が「ディール(取引)決裂」と判断した場合 ⇒ 戦闘再開
トランプ氏は先日、帰路の機内で「20年間(の核停止)で十分」という妥協案を提示したばかりだ。これは彼なりの「最後のオファー」だった。 もしイラン側がこれを「アメリカは信用できない」と完全に一蹴し、ホルムズ海峡の完全封鎖などの強硬姿勢を崩さない場合、トランプ氏はメンツを潰された形になる。その場合、イスラエルに対して「ゴーサイン」を出し、米イスラエル連合軍による大規模な再空爆、あるいはイラン高官(モジタバ・ハメネイ師ら指導部)を標的にした追加作戦が数日中に始まる可能性が非常に高くなる。
パターンB:中国や周辺国の仲介による「首の皮一枚の停戦延長」 ⇒ 膠着継続
一方で、トランプ氏は習近平国家主席とホルムズ海峡の安全確保について「共通の地平」を見つけたと発言している。 米軍自身もすでに中東へF/A-18戦闘機部隊や迎撃ミサイル・レーダー網の追加配備(THAADやパトリオットの補強)を終えて臨戦態勢をとっているが、原油価格がさらに暴騰することはトランプ氏の本意ではない。
イスラエルとレバノン(Hezbollah)の間では45日間の停戦延長が合意されたという報道もあり、イラン本体との間でも「数日間の限定的な期限延長」を重ねながら、ギリギリの脅し合い(チキンゲーム)を続ける可能性も残されている。
状況のまとめ
現在の状況は、机の上に「20年間の核停止案(アメ)」と「イスラエルの即時再攻撃部隊(ムチ)」が同時に並べられ、イランに究極の選択を迫っている状態だ。
イスラエル高官が言う「24時間以内」のタイムリミットが迫る中、トランプ氏がイランの反応を見て「交渉継続」とするか「 blasting(爆撃再開)」のボタンを押すか、まさに世界中が固唾を呑んでホワイトハウスとテルアビブの動向を注視している。