中国側は経済的なディール(取引)を好む第2次トランプ政権の性質を見抜き、「米産品の大量買い付け」や「一定の経済譲歩」をカードにして、アメリカから台湾問題における決定的な言質(「台湾は中国の一部である」という認識の無条件の受け入れや、台湾への武器売却停止)を引き出そうとしたとされている。
中国側の狙い:経済を餌にした「台湾ディール」
習近平政権にとって、国内経済の立て直し(関税の回避)も急務であったが、それ以上に台湾問題は「核心的利益の中の核心」であり、 香港メディアや外交筋の間でも、中国側はトランプ大統領が台湾を「交渉不可能な聖域」とは見ていない(ビジネスライクに取引できる対象と考えている)という隙を突き、実務レベルの段階から執拗に台湾政策の変更(米台連携の切断)を迫ったと報じられている。
なぜ失敗に終わったのか?
結果として、中国側のこの最大の目論見は完全に失敗に終わった。
• トランプ氏の「武器売却」維持と沈黙
首脳会談において、習主席は「台湾問題を適切に処理しなければ、中米関係全体を非常に危険な状況に追い込む」と強い言葉で警告(実質的な脅し)をかけた。しかし、トランプ大統領はこの圧力に屈せず、台湾への武器売却について「最終的な決定は私が下す」として譲らなかった。
• 「米台トップ会談」の可能性を匂わせる逆手
それどころかトランプ氏は、台湾の頼清徳総統を念頭に「台湾を統治している人物と直接話し合わなければならない」とまで発言し、中国側が最も嫌がる「米台の直接対話」をカードとして突き返した。アメリカ側は台湾を譲歩の材料にするどころか、中国を揺さぶるレバレッジ(テコ)として維持した形だ。
結論としての二面性
今回の米中の一連の会談は、以下のような歪な二面性を持って幕を閉じた。
• 経済面: 関税の激変緩和と米産品の買い付けで合意(ひとまずの停戦)。
• 安全保障(台湾)面: 中国側の「米側の譲歩を引き出す」という最大目標は完全に破綻し、一歩も平行線を崩せなかった。
結局、経済的な実利では手を握りつつも、台湾を巡る軍事・地政学的な火種はさらに尖鋭化する結果となり、有識者が指摘する「非常に危うい安定(建設的戦略安定関係)」という極めて綱渡りな着地点となったのが真相だ。
なお以下の動画では、米中首脳会談の直後に現地のジャーナリストが、習近平氏による台湾をめぐる激しい「警告」と、それに対するトランプ氏側の「沈黙・思惑」の温度差を詳しく解説しており、両国の決定的な決裂点を理解するのに役立つ。「あのテレ朝」にしては上出来だ。
この動画ではネットの一部で指摘されている周主席とトランプ大統領の背丈が同じ状況も確認できる。