2026年5月の英国地方選挙において、リフォームUK(Reform UK)は伝統的な2大政党(労働党・保守党)から支持を奪い、驚異的な議席増を記録した。最新の世論調査では支持率が28%に達し、首位に立つ場面も見られるなど、英国政治の地殻変動の主役となっている。
1.リフォームUKとはどんな政党か?
もともとはナイジェル・ファラージ氏が率いた「ブレグジット党」を前身とする政党で、2024年の総選挙で下院に議席を得て以降、急速に勢力を拡大した。
• 現在の勢い:2026年5月の地方選では、労働党から1,300議席以上を奪うなど「伝統的な地盤」を破壊する勢いを見せている。
• 支持層:かつて保守党を支持していた層だけでなく、生活コストの増大や既存政治への不信感を抱く労働党の伝統的支持層(ワーキングクラス)にも深く食い込んでいる。
2.「右派でも左派でもない」という主張の背景
リフォームUKは自らを「既存の腐敗した政治(ウェストミンスター体制)を打破する勢力」と位置づけており、従来の右・左の枠組みに収まらない面がある。
• 右派的側面:徹底した「移民規制」、ネットゼロ(脱炭素)政策の撤回、減税、そして「ウォーキズム(進歩的な社会正義への傾倒)」への批判など、社会文化的には非常に保守的である。
• 左派(ポピュリズム)的側面:既存のエリート層や大企業が富を独占していると批判し、生活困窮層の代弁者を自認している。公共サービスの効率化を訴えつつも、国民の生活実感を重視する姿勢が、旧来の労働党支持者に響いている。
3.反グローバリズムの正体
同党は「反グローバリズム」と言われるが、その実態は「選択的グローバリズム」という表現が会っている。
• 文化・人の移動への拒絶:
「無制限な移民」や「国際機関(EU、WHO、国連など)による国家主権の侵害」に対しては極めて否定的であり、これが「反グローバリズム」の核心となっている。
• 経済への姿勢:
一方で、自由貿易や市場経済そのものを否定しているわけではない。むしろ「英国を世界で最もビジネスがしやすい国にする」といった、新自由主義的な側面(リズ・トラス元首相に近い経済観)も併せ持っている。
まとめ
リフォームUKは、単なる「右翼政党」というよりは、「ナショナリズム(国家主権の回復)」と「反エリート主義」を掛け合わせたポピュリズム政党と言える。
「グローバルなルールに従うよりも、英国の一般市民の生活と文化を最優先せよ」というメッセージが、AIの普及による雇用不安や、物価高に悩む現代の有権者に強く支持されている理由だろう。