中国は膨大な量のプラスチック製品を海外輸出しているが、製造に使用する射出成型機は国産できるのか。
結論からいうと「汎用機では圧倒的な世界シェアを誇るまでに国産化が進んでいるが、超精密・ハイエンド領域では依然として日本や欧州への依存が残っている」という状況だ。
中国の製造業の実態については「数字上の勢い」と「技術的な急所」の両面を見ていく必要がある。
1.圧倒的な「量」:世界最大のメーカーは中国企業
中国は現在、射出成形機の生産台数において世界最大となっている。
• 海天国際(Haitian International:寧波(ニンポー、浙江省に位置する副省級市)に拠点を置くこの企業は、生産台数で世界シェアの約3割を占めるとされる「絶対王者」であり、2025年度の売上も2桁成長(約177億元)を記録しており、安価で頑丈な汎用機を世界中に輸出している。

• 震雄集団(Chen Hsong): 香港・深センを拠点とする老舗で、こちらも巨大な生産能力を持っている。
• 輸出先:アフリカ、東南アジア、中東などで使われるプラスチック製品を作る機械の多くは、これら中国製となっている。
2. 「質」の壁:日本・欧州が握る「急所」
「国産できるか」という問いに対して、プラスチック製品の質(精度)を求めると、話が変わってくる。


3.今後の懸念:中国メーカーの「追い上げ」と「依存」
中国政府は「中国製造2025」以降、工作機械の心臓部である「CNC(数値制御)装置」や「サーボモーター」の国産化に心血を注いできた。
• 電動化の波:日本のお家芸である「全電動式(オールエレクトリック)」の技術についても、中国メーカーが急速にキャッチアップ(遅れを取り戻す)している。
• 一方で残る依存:しかし、非常に高度な薄肉成形や、1ミクロン単位の精度が求められる半導体関連のプラスチック部品を作る機械に関しては、今でも「日本製の機械でないと話にならない」というのが現場の本音となっている。
結論
中国は「自国で使う、および世界に安くばらまくプラスチック製品」を作るための機械は、すでに十分すぎるほど国産化できている。
しかし兵器同様、製造業の現場でも「中国製機械はスペック上の数字は良いが、長期的な耐久性や極限の精度ではまだ日本勢に一日の長がある」という見方が一般的だ。今後、中国がこの「最後の精密領域」を完全に自国で握れるようになるかが、製造業の覇権を左右する大きなポイントになる。
まあ、ハッキリ言って、中国がトップエンドの世界に達するのは永遠に無理だろう。中国人のDNAには最高品質という項目が無いのだった。