
2026年5月以降、中国の調査船4隻が台湾周辺の国際海底ケーブル敷設ルートに近接する海域で、減速・停船・不規則な方向転換といった不自然な航行を繰り返していたことが、米台を拠点とする地理空間情報分析企業「ingeniSPACE」による船舶自動識別装置(AIS)の分析および台湾当局への取材から判明した。中国側が海底ケーブルや周辺の海底地形に関する情報収集を広域で行っている可能性が指摘されている。
確認された4隻の調査船と活動海域




背景と安全保障上の懸念

• 活動活発化の経緯
2026年5月に日本とフィリピンが排他的経済水域(EEZ)および大陸棚の境界画定に向けた交渉開始で合意したことに中国が反発し、「管轄権」の主張などを名目に台湾周辺へ巡視船や調査船を継続的に投入していた。
• 海底ケーブル探査と有事への備え
4隻が減速・停船を繰り返した地点は、台湾と日本や米国、東南アジアなどを結ぶ国際海底ケーブルの敷設ルートと高い一致を見せている。台湾有事などの際に海底ケーブルを切断・妨害して外部との通信を遮断する工作(グレーゾーン事態やハイブリッド戦)に備え、正確な敷設位置や海底地形を把握する狙いがあると分析されている。
• 軍民融合による調査
政府機関の船だけでなく大学所属の海洋調査船も投入されており、学術調査を名目としながら実態としては軍事・戦略的な情報収集(潜水艦の航行データ収集や海底インフラ探査)を行う「軍民融合」の動きとして警戒が高まっている。