自衛隊における「国産小型攻撃型ドローン(UAV)」の開発と調達





防衛省・自衛隊における「国産小型攻撃型ドローン(UAV)」の開発と調達は、ウクライナ情勢などの教訓から「一刻も早い実戦配備」と「中長期的な完全国産化」の二段構えで急ピッチで進められている。

現状、すぐに動かせる部隊を整備するために海外製の調達が先行しているが、2026年に入り国産の攻撃型ドローンの開発・量産化に向けた官民の動きが本格化している。現在の具体的な状況は‥‥

🔷直近の調達状況:まずは海外製で部隊形成(2026年最新)
防衛省は島嶼(とうしょ)防衛において、敵の軽装甲車両や舟艇を迅速に撃破できる「自爆型ドローン(徘徊型弾薬)」の導入を最優先課題としている。

• 「小型攻撃用UAVⅠ型」の選定:2026年上半期(2月〜5月)、陸上自衛隊が導入する初の攻撃型ドローン「小型攻撃用UAVⅠ型」の機種選定結果が公表された。選定されたのは、オーストラリアのディフェンド・テックス(DefendTex)社が開発した「Drone40」だ(国内代理店は丸紅エアロスペース)。

• 配備スケジュール:令和7年度(2025年度)予算で約32億円が計上されており、この2026年度(令和8年度)中に約310機が導入され、まずは運用のノウハウを蓄積するフェーズに入っている。

🔷国産開発の現状:国内スタートアップとの連携と「純国産」への挑戦
安全保障の観点(経済安全保障や脱中国製品)から、防衛省は「最終的にはサプライチェーンを含めて国内で完結する攻撃型ドローン」の育成を急いでいる。

• プロドローンによる「手榴弾搭載型」の公開(2026年5月) 2026年5月20日、小泉進次郎防衛相が名古屋の産業用ドローン開発企業「プロドローン(PRODRONE)」を視察した。その際、手榴弾などの火器を搭載可能な国産攻撃型ドローンのコンセプトモデルが初めて報道陣に公開された。

• 政府による投資・調達バックアップ:現在、日本の民間ドローン市場の約9割を中国製が占めているという脆弱性がある。そのため、政府は武器関連事業への投融資制限を見直すなどして、技術力のある国内スタートアップが防衛産業に参入しやすい環境を整備し、量産体制の構築を支援する方針を明確にしている。

🔷防衛省・防衛装備庁主導の技術研究
機体そのものの開発だけでなく、現代戦を生き抜くための「ソフトウェア」や「自律技術」の国産研究も進められている。

• メッシュネットワークと移動目標対処(2026年度着手):防衛省は、今まさに(2026年度から)総事業費約32億円を投じて、小型攻撃用UAVの高度な研究試作を開始する。これには、敵のジャミング(電波妨害)に対抗して機体同士が通信を維持する「メッシュネットワーク技術」や、動く車両を自動で追尾・撃破する「移動目標対処技術」が含まれる。

今後の見通し(国家防衛戦略の目標):日本政府は「国家防衛戦略」に基づき、おおむね10年後(2032年頃まで)に、日本の地理的特性に完全に適合した「国産軍事用UAV」の配備を完了するという目標を掲げている。

現在は「海外製(オーストラリア製など)で運用の型を急いで作りつつ、プロドローンなどの国内企業を国費で強力に後押しし、数年以内の『実戦的な純国産攻撃型ドローン』の量産・配備を目指す」という過渡期にあります。