中国が保有する外貨準備(ドル建て資産など)の総額が「約500兆円規模」といわれているが、これは本当だろうか。
知らべて見ると、現在の外貨準備高に基づけば事実だった。ただし、この中で安全資産とされる米国債の保有額はその半分程度に減少しており、外貨離れが進んでいる。
中国のドル資産の規模と実態は以下のようになっている。
🔷外貨準備の全体規模(約530〜550兆円)
中国人民銀行(中央銀行)が発表している外貨準備高は、直近で約3兆4,400億ドル。1ドル=約160円で換算すると、約550兆円の規模に上る。この外貨準備の大部分(約7割とも推定)が米ドル建て資産で運用されているため、「500兆円規模」という数字は概ね正しい。
🔷実態としての米国債は「約105兆円」に半減
500兆円の外貨準備すべてが「米国債」というわけではない。 米財務省のデータによると、かつて世界最大の米国債保有国だった中国は、米中対立やドル離れの戦略的リスク分散から保有を大幅に減らしている。直近のデータでは、中国の米国債保有額は約6,500億ドル(約105兆円)まで減少しており、日本(約160兆円〜180兆円規模)や英国に次ぐ第3位の規模に後退している。
🔷ドルから「金(ゴールド)」へのシフト
外貨準備全体における米ドルの割合を下げ、金地金(ゴールド)の買い増しを長期にわたって継続している。地政学的リスクに備え、基軸通貨であるドルへの依存度を少しずつ下げる戦略をとっている。
では、ゴールドはどこに保管しているのだろうか。
中国の国家的な金(ゴールド)資産は、主に中国国内の複数の政府・軍事施設、および主要な貴金属取引所の金庫に分散して保管されている。国家機密のため詳細な位置は非公表だが、国内外のデータから主に以下の場所に保管されていることが判明している。
中国国内の主要な保管場所
• 中国人民銀行(中央銀行)の地下金庫:
北京にある中央銀行本店の地下深くにある要塞化された金庫に、国家の公式な金準備の大部分が保管されている。
• 人民解放軍の管理施設:
地政学的リスクや有事に備え、一部の金準備は北京以外の安全な地域にある中国人民解放軍の厳重な軍事管理下の地下施設に隠されているとみられている。
• 上海黄金交易所(SGE)の認定倉庫:
中国国内の商業取引や決済用として、上海にあるアジア最大級の金保管所(上海黄金交易所が運営・認定する倉庫)にも大量の現物が置かれている。また、近年は深センの保税区にあるSGE倉庫なども活用されている。
・香港における新拠点(国際決済用):中国政府は「米ドル依存からの脱却(脱ドル化)」を加速させるため、香港に世界最大級の金保管庫(2,000トン超の収容能力)を設置している。
これにより、海外との石油や貿易の決済を、米ドルを介さず「人民元と香港の金(現物)」で直接完結できるインフラを構築している。
・海外への預託(ニューヨーク)
1990年代以降、国際的な取引や決済の利便性を高めるため、中国は公式金準備の一部(約600トンとも言われる)を米国のニューヨーク連邦準備銀行の地下金庫に預託してきた。
しかし、近年の米中対立の激化に伴い、資産凍結リスクを避けるため、この海外預託分を国内へ回収(本国巻き返し)する動きを進めていると指摘されている。
近年のトレンド:中国が「金保管のハブ」へ
かつては西側諸国(ロンドンやニューヨーク)に金を預けるのが一般的だったが、中国は自国のインフラの安全性をアピールし、カンボジアなどの友好国(一帯一路のパートナー国)の中央銀行に対し、金を中国国内(深センや香港など)の倉庫に預けるよう働きかけを始めている。自国が世界の金流通の中心(ハブ)となることで、人民元の国際的地位をさらに高める戦略だ。
ところで、中国と言えば官僚が着服するので有名なお国柄。なんたって、国防上最も重要なミサイルの燃料代を着服して、代わりに水をいれておくくらいだから、金地金なんて金庫を開けてみたらば、既に売り飛ばして着服していた、なんてことにもなりかねない。