2026年6月17日から18日の夜間にかけて、ウクライナ軍はロシアの首都モスクワおよびその周辺地域に対して、紛争開始以来「最大規模」となる長距離ドローン(無人機)攻撃を仕掛けた。
この攻撃に関する主なポイントは
🔷攻撃の規模
• ドローンの飛行数:ロシア当局(モスクワのソビャニン市長など)の発表によると、モスクワ近郊で190機以上(194機とも報道)のウクライナ製ドローンが迎撃・撃墜された。ロシア全土では500機以上のドローンが飛来したと報告されている。
• 過去に例を見ないほどの同時大量投入であり、モスクワの防空システムに大きな負荷をかける狙いがあったとみられる。
🔷 主な被害と影響
多数が迎撃されたものの、一部のドローンやその残骸が複数の重要施設や市街地に落下し、被害が出た。
• モスクワ石油精製所(カポトニャ地区)の炎上:首都南東部にあるロシア最大級の製油所(ガスプロム・ネフチ傘下)に複数のドローンが命中し、少なくとも5箇所で火災が発生。大量の黒煙がモスクワの上空を覆った。なお、同施設への攻撃は今週に入って2度目となる。

• 商業施設・住宅への被害:迎撃されたドローンの残骸などが、モスクワ近郊(リュベルツィ市など)の大型ショッピングセンター(「メガ・ベラヤ・ダチャ」や「サドヴォド・マーケット」)の屋根を破壊して局地的な火災を起こしたほか、高層マンションやスポーツセンター、一般の車両なども被害を受けた。

• 市民の負傷:モスクワ州の知事らによると、この攻撃により子ども2人を含む少なくとも17人が負傷した(現時点で死者は報告されていない。

• 航空便のマヒ:モスクワ周辺の主要空港が一時閉鎖(運用停止)となり、国営アエロフロート航空などを含め500便以上のフライトに遅延や欠航の影響が出た。
🔷両国の主張と背景
• ウクライナ側(ゼレンスキー大統領):SNSを通じて攻撃の事実を認め、ロシアによるウクライナの都市への激しい空爆に対する「完全に正当化される報復(返答)」であると主張した。また、ロシアの戦争維持能力を支えるインフラ(エネルギー施設)を叩くことで、「戦争を終わらせ、ロシアに外交的なステップを踏ませるための重要な成果だ」と強調している。
• ロシア側:国防省は「テロ攻撃」としてウクライナを非難し、この直後に報復としてウクライナの防衛施設やエネルギーインフラに対して「高精度兵器による報復攻撃」を実施したと発表している。
今回のモスクワへの大規模空爆は、ウクライナ軍が長距離ドローンの大量生産・運用能力を大幅に向上させていること、そしてロシアの中枢インフラを直接マヒさせる能力があることを改めて誇示する形となった。