B_Otaku のクルマ日記


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2019/6/29 (Sat)  GT3 マシンのベース車両

6月26日の日記でニュルで上位となった GT3 マシンについて、レース用の GT3 とそのベース車両を比較したが、今回はベース車両についても、もう少し詳しく見る事にする。

そこで前回示したベース車両のスペックを以下に比較してみる。

Porsche 911 GT3 RS
ポルシェは唯一 GT3 という車種をストリート用として市販している。そしてその GT3 の高性能モデルが RS であり、市販車の中でも最もレーシングカーに近いクルマだから、これはもうマニアの憧れだ。価格は2,700万円とこれも結構な価格だが、それ以前に販売台数が少ない為に、このクルマの正規輸入車で手に入れるのは至難の業だ。

エンジンはリアに積んだ水平対向6気筒 自然吸気 4.0L で520ps というハイチューンであり、エンジン搭載方法やエンジンの形式など全てが他社には無い独特のものだ。

Mercedes Benz AMG GT
メルセデスAMG の GT3 レース仕様のベースとなったのは AMG GT で、フロントに V8 3.9L ターボ 540ps を搭載するオーソドックスな RWD 車であり、メルセデスらしくどちらかと言えば豪華なグランドツーリングカーというイメージで、コーナーリングを楽しむというクルマでは無い。

Audi R8
そしてレース仕様のアウディ R8 LMS GT3はミッドシップエンジンの R8 がベースとなっている。この R8 のミッドシップには自然吸気 V10 5.2L 540ps エンジンを搭載し、スペック的にはスーパーカーの部類となる。現行モデルは2016年に FMC を行い2代目となったが、価格も上昇して 2千数百万円という価格になった。前回も述べたが元々ステイタスの無いアウディのスーパーカーだからリセールは極めて悪いし新車の人気も無い。それでも先代ではベースモデルが一千万円代と比較的割安というメリットもあったが、ポルシェやAMGと同等価格では、さて誰が買うのか?

BMW M6 Coupe
今年のニュルではトップ3に入れなかったが 、BMW も M6 GT3 で参戦しており、ベースはその名のとおり M6 だ。しかし GT3 としてポルシェと戦うにはクルマが大き過ぎる。BMWもその辺は当然認識しているようで、近い将来にM4 ベースとなるようだ。しかし現行 M4 は F84 という開発コードでも判るように一時代前の設計であり、新型3シリーズ (G20) ベースの4シリーズは未だ発売されていない。そのために新4シリーズクーペ→ M4 クーぺ → M4 GT3 という手順で開発され、それからサーキットで煮詰めて行くのは未だ当分先であり、それまでの BMW は苦しい戦いとなるだろう。

なお M6の価格は他のライバルより安いが、何しろベースが量産サルーンだから当然だ。しかし上記 AMG とアウディはトップパフォーマンスのスポーツカーであり、ポルシェに至ってはレーシングカーのストリートバージョンだから、元々生まれが違うのは認識しておく必要がある。

さてもしも幸運にもクルマに掛ける予算が2千数百万円もあったなら、あなたならどれを選ぶだろうか? まあこればかりは好みの問題で何とも言えないが‥‥。

それで今回の4車種の詳細ついては下記にて。
  911 GT3 RS ⇒ https://www.netcarshow.com/porsche/2019-911_gt3_rs/
  AMG GT ⇒ https://www.netcarshow.com/mercedes-benz/2020-amg_gt/
  R8 ⇒ https://www.netcarshow.com/audi/2019-r8_coupe/
  M6 ⇒ https://www.netcarshow.com/bmw/2015-m6_coupe/

 




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2019/6/28 (Fri)  ヒュンダイのNって何だ?

前回の日記でヒュンダイ i30N TCR というツーリングカー用マシンとそのベースとなった i30N を取り上げたが、この ”N” は何を意味するのだろう。実はこれは BMW の M とかメルセデスの AMG 、そしてトヨタ (レクサス)で言えば Fに相当する高性能ブランドなのだという。そのNの意味するものはニュルブルックリンクのNという話もある。まあトヨタのFは富士スピードウェイのFだから同じようなものか、と思うのは間違いで、富士スピードウェイの現オーナーはトヨタであり、自前のサーキット名のイニシャルを名乗るのであり、ヒュンダイのように全く他人様のサーキット名を名乗るのとは訳が違う。

それで現在Nの付くモデルは i30 N に加えて最近発表されたヴェロスターにもNがある。ヴェロスターはBセグメントのスポーツハッチとクーペの中間的車種で、ドアは運転席側がフロントのみ、反対側にはリアドアもある変則的な3ドアとなっている。

それではスタンダードとNの違いを比べてみる。フロントはNではこの手のクルマではお馴染みの派手な加飾ラインとアンダーグリルで差別化している。

リアにはルーフにスポイラーと左右出しの太いエクゾーストパイプなどがそれらしさを表している。

インテリアは意外にもスタンダードヴェロスターのほうが赤いアクセント等派手な出で立ちになっている。

ブレーキキャリパーはNでも恐らく只の鋳物製片押しを赤く塗っただけのようだ。

このヴェロスターはBセグメントとうことでライバルはトヨタ ヤリス (日本ではヴィッツ) であり、その高性能版の GRMN が ヴェロスターNの意識しているクルマだろう。ただし、ヴェロスターはBセグメントと言ってもクーペに近いモデルであり、真っ当なBセグメントとしては i20 だが、その i20N も現在開発中だという。

ヒュンダイはトヨタのレクサスに対抗して高級ブランド "ジェネシス” を立ち上げたが、ヒュンダイの高級車なんて売れる筈も無く、今や殆ど死んだも同然だが、性懲りも無く今度は高性能ブランドというのだから恐れ入る。

今回搭乗の3車の詳細ついては下記にて。
  Hyundai Veloster ⇒ https://www.netcarshow.com/hyundai/2019-veloster/
  Hyundai Veloster N ⇒ https://www.netcarshow.com/hyundai/2019-veloster_n/
  Toyota Yaris GRMN ⇒ https://www.netcarshow.com/toyota/2018-yaris_grmn/

 






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2019/6/27 (Thu)  ニュルでヒュンダイが優勝?

今年のニュルでヒュンダイが優勝したニダ、という韓国系のニュースがネットで飛び込んでいたが、はぁ~、ニュルで優勝だってぇ? 若しかしてクラス優勝でもしたのかとも思ったが、それも無さそうだ。

それでよくよく調べて見たらば 24時間レースに先だって行われる FIA WTCR 世界ツーリングカーカップでの優勝だった。要するに前座レースで優勝したということだが、そのレースは3周で争われる。なっ何~い、さっ、3周! たったの3周の前座レースで優勝したという事だった。

その車種は i30N TCR で、小型ハッチバックのスポーツタイプ i30N を元にレース仕様としたものだが、何とこのクルマは 2017年に一般向けにも販売が開始されたという。ヒュンダイのレーシングモデルの市販ねぇ‥‥。

ところで TCR とは何かと言うと、本来はツーリングカーレースの TC1 、TC2 、に続いて創設された改造範囲の狭い TC3 が前身で、後に TC1/TC2 がマニュファクチャラーの減少で廃止となった事から世界ツーリングカップ(WCR) に格上げとなったクラスだ。

そして2016年からはニュル 24時間にも導入されている。また前述のように i30N TCR は市販されているが、調べてみると他にも TCR マシンは市販されていた。一例として Audi RS3 LMS DSG (109,000ユーロ) 、Opel Astra TCR (114,000ユーロ) 、Subaru WRX STI TCR (1125,00ユーロ) 等がある。 () 内は価格 1ユーロ≒122円

それでは i30N TCR の価格はというと 128,000ユーロ、って、ええっ、WRX STI よりも高い! これを一体誰が買うのか??

ところで、この i30N TCR だが、実は欧州の専門メーカーにマル投げしたモノで、ヒュンダイ製はボディの骨格くらいであり、勿論そのボディも大幅に補強しているから、形が似ている‥‥程度だろう。

 




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2019/6/26 (Wed)  ニュル24時間 2019

先週の土~日曜日 (22~23日) に本戦が行われたニュルブルックリンク 24時間レースは、その昔のアマチュアやプライベートチーム主体のお祭りから、最近はワークスチームの戦いとなってしまい、古き良き時代の大草レースとは様変わりしてしまった。とは言え総合優勝を争っているのは一般ユーザーでも購入できるお馴染みのクルマをベースとしているという親近感もあって、同じく 24時間耐久レースとはいえ特殊なレーシング専用車によるルマンとは全く違う楽しみ方がある。

それで結果はといば大混戦の挙句にレース終盤までトップを独走していたポルシェ 911 GT3 R が何と追い越し禁止のイエローフラグを見落としてしまい、追い越しと速度違反で 5分32秒のペナルティをくらい2位に後退。その後追撃するも間に合わず、優勝はアウディ R8 LMS GT3 がさらって行った。そして第3位はメルセデス AMG GT3 で、結局ドイツ勢が仲良くトップ3と分けあった結果となった。

そこで今回はその3車の GT3 レーシングカーとベースの市販車を比べてみる事にした。

先ずはポルシェから。911 GT3 はレース専用車が R でストリートモデルには GT3 、同 RS と GT3 の名を冠したモデルが市販されているのは有名だが、ここでは市販車では最上位の RS と比較してみる。街中で見ると異様に張り出したオーバーフェンダーが目立つ GT3 RS だが、R と比べれば大人しいものだ。リアのウィングもストーリーとモデルの方が当然少し小さい。とはいえストリートカーでこの GTウィングは凄い!因みに GT3 RS の価格は 2,692万円で、それにも関わらず予約開始時点で既に割り当て分が予約済みとなっている。エンジンは水平対向6気筒 自然吸気で500ps 。

インテリアは当然全く異なり、R は使い勝手は勿論の事、レースのレギュレーションに合ったモノになっている。

そしてメルセデスはレース用の AMG GT3と、そのベースとなった AMG GT を比較する。

エクステリアは一見すると可也似ているが、良く見ると GT3 はグリルが大きい。これは吸気面積を上げる為だろう。なおオーバーフェンダーによる幅広感はポルシェ程ではない。

そしてインテリアはポルシェ同様にレーシングモデルはストリートカーとは全く異なっている。なお AMG GT の価格は 1,645 (GT) ~ 2,309 (GT C) 万円。エンジンは4.0L V8 ツインターボでグレードにより 476 ~ 557ps 。

最後に結果的に優勝が転がり込んできたアウディ R8 LMS GT3 だが、ストリートモデルは RS8 V10 クーペで、価格は前記2車より高い 2,465 ~ 2,915万円で、一体誰が買うのだろうか? 以前から R8 の値落ちの激しいのは有名で、ピッカピカの新品みたいな中古車が1千万円を切って並んでいるのを見た事がある。

ところでもう1社ドイツプレミアムブランドが見当たらない。そう BMW だが、M6 GT3 が総合6位に入っている。なお BMW は次期 GT3 モデルとして M4 にスイッチするという。

それで上記3社のレーシングモデルの詳細ついては下記にて。
  911 ⇒ https://www.netcarshow.com/porsche/2019-911_gt3_r/
  AMG ⇒ https://www.netcarshow.com/mercedes-benz/2020-amg_gt3/
  R8 ⇒ https://www.netcarshow.com/audi/2019-r8_lms_gt3/

 


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