米国がアフガンに置いてきてタリバンが入手した兵器とは?<2>

 

前回は汎用四輪駆動車と装甲車を取り上げたが、その続きとして残る陸上兵器についてまとめる。

Pic-up trucks and SUVs :42,000台
米軍では民生品のピックアップトラックやSUVに改修を加えて軽軍用車両として採用するCUCV(Commercial Utility Cargo Vehicle)というプロブラムがある。
代表車種はGMのダッジ製ピックアップトラックを流用したもので、現行モデルは1976年から生産が続いているM1009 CUCVで、他にもシボレーブランドなどがある。

またLSSV(Light Service Support Vehicle)と言われるシボレーのSUVベースのモデルが2001年から調達されている。

・Trucks:8,000台
米軍用のトラックとして代表的なのはAMゼネラル社により製造されるUSMC M923 5tトラックで、1982年から配備されている。
軍用車らしく6輪駆動でサスペンションは全輪リーフスプリングというヘビーなものだ。
当然ながら多くのバリエーションを持ち、ガントラックや装甲キャブ仕様など特殊な用途の車輛が存在する。

・Artillery pieces:176機
いわゆる大砲で、米軍では高仰角の射撃を主とする砲身の短い榴弾砲が多用されている。口径155㎜の榴弾砲M198が主力で、前述のM923、5tトラックより一クラス上で独立懸架のMTVR 7tトラックで牽引される。

米軍が使用する榴弾砲には、口径が小さく小型のM119 105mm榴弾砲もある。これは元々英国のL119を米国がライセンス生産したもので、M198よりも小型で機動力があり、牽引はHumveeで行うのも使いやすい。実際にアフガンでは戦闘で米軍が使用していた実績もある。
また105㎜榴弾はNATOの標準弾の為に、タリバンとしても弾薬の入手がし易いだろう。

前回の装甲車などはハイテク制御が無力化されていて使用できない事もあり得るが、今回の車輛は基本的に民生品であり整備も比較的楽あろうから、タリバンの重要な足となりそうだ。また榴弾砲も言ってみればローテク兵器だから、タリバンからすれば実に「有難い贈り物」という事になりそうだ。

さて、次回は銃器類(小火器)について調べてみる。

つづく

米国がアフガンに置いてきてタリバンが入手した兵器とは?<3>

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