トランプ政権の「エピック・フューリー作戦」に続く「エピック・パッセージ作戦」とは





現在(2026年5月時点)、トランプ政権内で検討されている「エピック・パッセージ作戦Operation Epic Passage)」は、イランに対する大規模軍事行動である「エピック・フューリー作戦(Operation Epic Fury)」の後継・継続ミッションとして浮上している構想だ。

1.目的:航行の自由の確保と経済的封鎖
「エピック・フューリー」がイランの軍事施設や海軍能力の破壊を主目的とした「攻め」の作戦だったのに対し、「エピック・パッセージ」は以下に重点を置いている。

• ホルムズ海峡の開放:イランによる海峡封鎖を阻止し、タンカーの護衛を通じて国際的なエネルギー供給路を確保する。

• 海上封鎖の維持:イランの石油輸出を完全に阻止し、政権の資金源を断つための「経済戦争」を継続する。

2.「戦争」から「警察行動」への移行(法的回避策)
この作戦名への変更には、米国内の法的・政治的な意図が強く反映されている。

• 戦争権限法の回避:合衆国法(戦争権限決議)では、議会の承認なしに軍事行動を継続できる期間は60日(最大90日)とされている。2026年2月28日に始まった対イラン攻撃は4月末でこの期限を迎えた。

• 定義の変更:政権側は、大規模戦闘は4月の停戦で「終了」したと主張。エピック・パッセージという新名称の下で、ミッションを「自衛のための護衛」や「海事警察活動」と定義し直すことで、議会の新たな承認を得ずに軍事プレゼンスを維持しようとする狙いがある。

3.背景と提唱者
この名称とコンセプトは、国家安全保障会議(NSC)の元高官でトランプ氏に近いリチャード・ゴールドバーグ氏らが提唱したと報じられている。ヘグセス国防長官も議会証言で、停戦によって「60日のカウントダウンは一時停止(ポーズ)されている」という趣旨の発言をしており、この新しい枠組みでイランへの圧力を継続する姿勢を示している。

補足:エピック・フューリー作戦の結果(公式発表ベース)
ホワイトハウスの発表によると、38日間にわたる「エピック・フューリー作戦」により、イランの弾道ミサイル網の85%が破壊され、海軍艦艇の多くが撃沈されるなど、イランの軍事能力は大幅に低下したとされている。これを受けての「次の一手」が、このエピック・パッセージとなる