オリンピックの生中継でライフル射撃を見た(3)

 

今回は3つの姿勢のそれぞれについて少し詳細に見る事にする。

1.膝射(しっしゃ)
3姿勢競技は膝射から始まる。名前の通りに片膝を立てて、ここに肘を載せて安定させるために、後述の伏射よりは不安定だが立射よりは安定している。

この膝射と伏射については、腕の上部と銃を革のベルト状のスリングで結ぶという独特な方法を使用し、これは狩猟や軍用など、競技銃以外ではあり得ない方法だから、普通の銃器マニアには全く知られていない。そんな事もあり、あの有名な狙撃者が主人公の劇画、〇ル〇13では競技銃にハンティング用のスリングが付いた絵が出ていたり、まあそれ以外にもハッキリ言って無知をさらけ出しているのは、スタッフに問題があるのだろう。ストーリーは実にユニークなのだが‥‥。

写真を見て判るように、左手のみにグローブと呼ばれる分厚い手袋を使用している。右手は精密なトリガーを操作するので勿論素手だ。

2.伏射(ふくしゃ)
通称「ふせうち」とも言われている種目で、3つの姿勢の中では最も安定しており、高得点を出しやすいが、言い代えれば、国際級の試合では10点を撃って当然であり、如何に9点を撃たないようにするかが勝負となる。したがって、もしも8点とか撃ったら非常に厳しい事になり、7点なんて撃ったらもう終わり、という面でも極めてシビアだ。

また唯一両肘をつく為に、他の姿勢のように引き金を引く右手が自由では無い事もあるし、時間が経過するに従い両腕は痺れてくるし、見かけ以上に厳しい。

3.立射(りっしゃ)
最後の立射は、その名のとおりで立って撃つために安定は一番悪く、何しろ50m先にボチッと見える黒い点を立って撃つのだから、当然点数的には3つの姿勢では一番低い。とは言え国際級の競技で8点なんて撃ったら、もう上位戦線から脱落しそうになる。

当然ながら支えているのは二本の足のみ。

立射の打ち方は猟銃等とは全く違い、左肘を腰に載せて、その上に銃を載せる独特の姿勢で、銃の重心と体の中心が合っている状態にする。

なお、3姿勢ライフルの銃はフリースタイルで規定が緩い事から、立射にはパームレストと呼ぶ特別なアダプターを付けて、頭を真っすぐに伸ばした状態で構えられるようにしている。

これに対して、エアーライフルではパームレストが禁止のために射撃姿勢としては寧ろ難しい状況となる。

なおライフルの引き金(トリガー)の重さはというと、ライフルでは下限の規定が無く、幾ら軽くしても良いために、殆ど触っただけで撃発してしまう。更に引き初めに遊びがあるから、静かに引いて行って、極僅かな当たりを感じたところで止めて照準し、そこから今だっ、というタイミングで素早く、しかし慎重にじわ~っと引くという矛盾した状況となる。

という事で、何やら思い入れのある内容になってしまったが、それでもまだまだ書きたい事は山ほどあるが、このブログの趣旨から外れてしまうので、この辺で終わりにしよう。

そして最後に、何故に思い入れがあるかといえば、若いころこれに嵌っていた時期があって、まあ、大した成績では無かったが、今となっては青春の思い出‥‥かな。

自慢じゃあ無いが‥‥優勝経験は‥‥地方大会ですら‥‥ゼロ!

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