台湾の列車事故のドラレコ映像が公開された

 

台湾の列車事故では死者50人という思いもよらない甚大な被害が出てしまった。

この事故で、列車に設置されたカメラが記録した事故の瞬間映像が公開され、日本でも各マスコミが報道している。

取り合えずNNNの報道動画を埋め込んで置く。

これを見ればカーブで死角になっていて前方が見えない状態から直線に入った時に、突然前方に大きな障害物が見えて、約3秒後に激突して画像は消えている。いや~、まあ、よりによって、こんな死角の多い場所に工事車両が落ちるとは‥‥。

ところで、この動画のコメントに
「非常ブレーキをかけたが間に合わなかった」か
でも、わずか数秒でも減速させたことで、救われた命があったはず。運転士さんは亡くなったそうだが、運転士さんによって少なからず救われた命があったことを忘れてはならないと思う。』
というのがあった。

いや~、これぁいいや。如何にも無知な文系偽善左翼丸出しで、良いねぇ。

先ず言っておくが、鉄道のブレーキは急ブレーキを掛けてから効き始めるまで3秒以上かかるから、発見した段階で手遅れ!

というと、何でそんな効かないブレーキを使うんだ、とか言ってくれると、増々嬉しくなるのだが‥‥。

それで、鉄道のブレーキが効かないのは、エアブレーキだから急ブレーキを操作してから、圧縮空気による遅れが出て、アクチェーターが作動するのに、ムニューっという感じで作動するからだ。

ただし、鉄道のブレーキはフルブレーキを更に超えた位置までレバーを操作すると緊急ブレーキとなり、これは逆に溜まっていたエアーを一気に抜くことで、メカ的にブレーキを作動させる機構だが、それでも3秒では厳しい。この緊急ブレーキ動作時は床下から多量の圧縮空気を一気に放出するので、ズーンという強烈な音が聞こえるから、それを知っていれば「おっ、ヤバいぞ」と身構えることが出来る。

それでは充分にブレーキが間に合ったとして、鉄道が急停止するにはどれくらいの距離が必要かと言えば、時速120キロからでは約600m!その理由はレールと車輪の摩擦が極めて小さいためにブレーキ力を上げてもロックしてそれ以上の減速度が出ない事が原因だ。

まあこの辺の事は2019年の京浜急行の事故の当時に、本篇の日記に纏めてある。
2019/9/7 (Sat)日記 京急事故を検証してみる<1>
2019/9/7 (Sat)日記 京急事故を検証してみる<2>

という訳で
「クルマは急に止まれない。電車はもっと止まれない」

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