失業や給与の未払いなどが多発の中国で一千万円級の新興ブランドEVを購入する階層とは


中国で国民生活の困窮や消費の低迷が伝えられるなか、1000万円級(約50万〜100万元以上)の新興ブランドEV(問界/AITO M9、仰望/Yangwang U8、Li Auto/理想 L9、NIO ET9など)を購入しているのはどんな階層なのだろうか。結論を言うと、「都市部の企業オーナー(自営企業主)」「IT・ハイテク・金融業界のエグゼクティブ(新富裕層)」「欧州高級車からの乗り換え組」といった上位数%の富裕階層だ。

経済不振の裏で起きている消費の構造変化と、それらの車両を購入している具体的な層のプロファイルは以下の通り。

購買層のプロファイルと特徴
自動車業界のリサーチ機関(傑蘭路など)が実施した50万元(約1000万円)超の高級EV「問界(AITO)M9」初期購入者に対するデータ調査などから、明確な人物像が浮かび上がっている。

なぜこの景気下で買われているのか(3つの背景)

1. 深刻な「消費の二極化(K字型経済)」

不動産価格の下落、給与未払い、若年層の失業率高騰などの打撃を直接受けているのは、主に「中間層・若手労働者・不動産/建設関連企業」で、 一方で中国は14億という莫大な人口を抱えるため、上位1〜3%の富裕層・富裕ファミリーだけで数千万人規模が存在する。資産の蓄積が潤沢なこの層は、景気減速の影響を受けつつも高価格帯の買い物を維持できる購買力を持っている。

2. 欧州高級車(ベンツ・BMW等)からの「ステータス移行」

かつて中国の成功者の証といえば「ベンツSクラス」や「BMW X5」といった伝統的な欧州高級車だった。しかし、現在の中国富裕層の間では、以下のような理由から国産高級EVへの乗り換え(代替)が進んでいる。

• 圧倒的な先進技術:Huawei(ファーウェイ)等の最先端自動運転システムやスマートコックピット機能。

• 圧倒的な快適性とラグジュアリー感:後席の大画面モニター、冷蔵庫、エアサスペンションなど、移動空間としての快適性。

• 国産ハイテクブランドへの好感:自国のテクノロジー成長に対する誇りとブランド価値の向上。

とは言え、こんな子供だましのハイテク化に騙されるのも、クルマというものを判っていない成金趣味なのだが。

3. 高級EV購入を後押しする『2つの実利』
企業経費・節税および都市部での優遇措置

高級EVの多くは、企業オーナーが社用車・ビジネス接待用・エグゼクティブ移動用として法人名義(経費処理)で購入している。また、上海や北京などの主要都市ではガソリン車のナンバープレート発行規制が非常に厳しく、新エネルギー車(EV/PHEV)に与えられる優先ナンバープレート枠を活用できる点も、富裕層の購入を後押ししている。

全体としての自動車販売台数が抑制される中でも、「伝統的な欧州高級車市場のシェアを、中国のハイテク国産EVが奪い取ってい


それでも、急ブレーキを踏むとペダルが折れるような現象をみれば、流石に海外ブランドとの差に気が付くとは思うが・・・。