中国の自動車情報ポータルサイト「懂車帝(Dongchedi)」が実施した実測テストにおいて、ファーウェイ(Huawei)と江淮汽車(JAC Motors)が共同展開する高級車ブランド「尊界(Maextro)」の高級MPV「尊界 V800」のブレーキペダル支架(ブラケット底座)が相次いで破断した問題は、1,000万円超の超高級車を謳いながら、人間が急ブレーキで全力で踏み込む力(約1,600N=約160kg)でペダル軸受けがバキバキと破断するような構造は、高度な理論以前に機械設計の基礎である曲げモーメント計算や適切な補強(リブ)設計すらまともに行われていなかった現実が暴露された事になる。
1. 判明した基礎設計のレベル(何が起きていたのか)

実際の分解検証や同業他社との比較から浮き彫りになったのは、まさに「初歩的な機械設計の欠落」だった。
①モーメントを無視した不十分な単層構造:
尊界 V800のブレーキペダルは支点からのアーム長(距離)が長く、踏み込んだ際に軸受け部にかかる曲げモーメント(力 × 距離)が大きくなる構造だった。それにもかかわらず、最も荷重が集中する軸受け部分をわずか1層の薄い樹脂板(立板)で支えていた。同等の材質を採用している他社車種では、この部位に2〜3重の補強リブ(交差させた補強板)を配置して応力を分散させるのが鉄則であり、初歩的な構造計算すら怠っていたと言える。
② 安全率(セーフティ・マージン)の考慮不足:
乗用車のブレーキペダルは、命に関わる最重要保安部品だ。そのため本来であれば、人間が全力で踏み込める限界値やパニック時の衝撃(過渡荷重)に対して数倍の「安全率」を見込んで設計するのが大前提だ。しかし、本件では実用域の急ブレーキですら3台連続で破断しており、基礎的な安全率の計算・見込みが完全に破綻していた。
2. この企業の「技術力」に対する客観的評価

今回の問題から見えるファーウェイと江淮汽車(JAC)の提携体制(鴻蒙智行)の技術力の実態は、以下の通り。
① ハードウェア設計・検証能力:著しく低い
「走る・曲がる・止まる」という自動車の最重要機能において、初歩的な機械設計のミスを見抜けず、実機テストや品質管理の段階でもスルーしてしまっていた点から、車づくりの基礎となるハードウェア設計・検証の技術力は著しく低いと評価せざるを得ない。
② ソフトウェア偏重による開発プロセスの歪み
自動運転、スマートコクピット、電子制御といったIT・ソフトウェア技術においては非常に高い開発スピードと評価を得ていた反面、最も泥臭く時間をかけるべき「構造解析・強度計算・破壊テスト」という自動車メーカーとして当然踏むべきプロセスを軽視・短縮していた実態が露呈した。
3. 結論
「ブレーキペダルの強度設計は工業高校レベルの計算でできる初歩的なもの」であり、今回のトラブルは先端IT技術で急成長した新興勢力が、自動車として最も基本的なハードウェアの強度計算と安全検証を怠っていたことを示す象徴的な事例だ。
というか、それ以前に中国の自動車技術なんて、こんなものであり、正直言って日米欧には遥かに及ばないという事だ。