ウイルスと洪水で中国の日系自動車会社の状況はどうなんだ?

 

大洪水で未曽有の被害が出ている中国だが、そこで気になるのが日系自動車メーカーの工場は大丈夫なのだろうか?という疑問だ。そこで先ずは代表的日系自動車メーカーと、その工場の所在地を調べてみる。

中国での自動車製造は中国企業との合弁が必須であり、日本の各メーカーもそれぞれ中国の自動車メーカーとの合弁事業となっている。

トヨタ
先ずはトヨタだが、三大国有メーカーの一つである第一汽車との合弁である一汽豊田広州汽車との合弁である広汽豊田があり、それぞれ製造車種が異なっている。

一汽豊田の西青経済開発区工場は北京の南にあり同じく政府直轄地である天津の中心部にある。この辺は流石の国有メーカーの第一汽車と世界のトヨタの合弁会社だけあり、工場も王道の首都北京近くの経済開発区という、もうここが洪水などで倒れたら中国が完全に崩壊するというくらいの場所にある。尤もその北京が新型コロナウイルスの蔓延で大騒ぎだが。

広州汽車との合弁である広汽豊田は広東省広州市に工場がある。広東省は沿岸部であり、長江の大洪水の影響も無いであろう。

日産
日産は第一汽車と同様に三大国有メーカーの一つである東風汽車との合弁の東風日産として中国で展開している。日本では今やトヨタとは大差が付いた日産だが、中国ではトヨタと良い勝負をしている。東風日産は広東省広州市の花都(かとく)工場に日産乗用車開発センターも併設しているが、他にも河南省鄭州市の鄭州(ていりゅう)工場や湖北省西北部の襄陽(じょうよう)工場などがある。

しかし沿岸部の花都工場は良いとしても、長江最大の支流、漢水の中流域にあたる湖北省の襄陽(じょうよう)工場は恐らく今頃水害の真っ最中であろうし、その北側の河南省にある鄭州(ていりゅう)工場もチョイとヤバい。加えて東風汽車の本社は何とあの湖北省の武漢市!
武漢と言えば新型コロナウイルス発祥の地で、おまけに大洪水で水没中だから、現状は一体どうなっているのだろう?

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ホンダ
ホンダの中国での製造はトヨタと同様に広州汽車と合弁の広州ホンダで行っている。まあ広州豊田同様で、広東省は水害の危険は無いだろう。

マツダ
マツダは長安汽車との合弁で江蘇省南京江寧経済技術開発区に工場を持っている。長安汽車は国営では無いが中国自動車メーカーのビッグ5の一員である。まあ中国の自動車メーカーは民営とはいえ事実上は共産党の経営によるものだが‥‥。

そしてその江蘇省は沿岸部とはいえ長江の河口域であり、もしも三峡ダムが決壊したらば水没の可能性もあり、予断は許せない。

となると、最もリスクの大きいのは日産だろう。いや既にウイルスでも痛い目にあっているが‥‥。

なお中国の自動車販売については本篇日記の
2020/4/18 (Sat)  2020年2月 中国乗用車販売台数 <1>にて

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