赤根所長「米国がITインフラや金融システムを本気で遮断すればICCの機能が麻痺する」


赤根智子所長自身が「米国の制裁は組織潰しに本腰を入れた動きである」と危機感を表明している通り、米国がITインフラや金融システムを本気で遮断すればICCの機能が麻痺するという認識は、トップ自らも抱いている冷酷な現実だ。

1. 赤根所長が直面する「本気の組織潰し」

2026年8月にトランプ政権が赤根所長らを制裁対象(SDNリスト)に追加した際、赤根氏は読売新聞などのインタビューで「本気でICCという国際司法機関をつぶそうと本腰を入れてきた」と述べている。

これは単なる個人への嫌がらせではなく、トップや主要人物を制裁指定することで米系IT企業にアカウント停止を余儀なくさせ、機関全体の業務を物理的に停止させる戦略であることを見抜いているためだ。

2. なぜ「ロック=即死」になり得るのか

• 米企業のコンプライアンス(自衛的遮断):Human Rights Watchなども指摘するように、米国の制裁対象となった人物が関わるサービスに対し、MicrosoftやOracle等の米企業は巨額の制裁金を恐れて即座にアカウント停止やアクセス制限をかける。

• CLOUD法による強制:データの保管場所が欧州であっても、運営会社が米国企業である限り、米国の命令一つで暗号化キーの失効やアクセス制限が可能となる。

• 二重の依存(金融とIT):公判管理や証拠DBだけでなく、給与支払いや資金送金に使う国際金融網(米ドル決済網)も遮断されるため、ITと資金の両面から締め上げられる。

3. 「焼け石に水」と分かっていても移行する理由

ペタバイト級の証拠データベースや基幹システムを米国製インフラ(AzureやOracle等)から完全に引き剥がすには年単位の時間がかかり、その途中で「スイッチを切られる」リスクは極めて高い状態だ。

それでもOSやオフィスツールのLinux/openDesk化を急ぐのは、システム構築として完璧を目指しているからではなく、「明日アクセスを遮断された場合でも、せめてローカルに避難させた証拠データや文書だけは開けるようにしておく」という土壇場の緊急避難(延命措置)に過ぎないのが実情だ。

正統性や理念は125の加盟国から与えられていても、実際の「稼働インフラ」を100%米国に握られていたという歪みが、今まさに最大の危機として表面化している。