2026年5月2日、ベトナムを訪問した高市早苗首相(2026年時点)が行った外交演説が、中国の強い反発を招いている。
この演説は、かつて安倍晋三元首相が提唱した「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」をさらに発展・進化させる「高市ドクトリン」とも呼ぶべき内容で、中国を念頭に置いた「経済安全保障」と「安全保障協力」の強化が柱となっている。
中国側が特に反発しているポイントは‥‥
1.経済安全保障を通じた「脱・中国依存」の推進
高市首相は演説で、半導体やレアアース、エネルギーなどの重要物資について、「特定の国への過度な依存を避け、サプライチェーンを強靭化する」ことを強調した。
• ベトナムとの連携:世界有数のレアアース埋蔵国であるベトナムとの協力強化や、ベトナムの石油精製支援などを打ち出した。
• 中国の視点:これを中国を排除するための包囲網構築と捉え、「経済問題を政治化し、対立を煽っている」と批判している。
2.南シナ海情勢と安全保障協力の拡大
演説では、法の支配に基づく海洋秩序の維持を訴え、南シナ海で領有権を争うベトナムに対し、防衛装備品の供与に向けた調整を進めることで合意した。
• 現状変更への反対:「力による一方的な現状変更の試み」に強く反対する姿勢を示した。
• 中国の視点:中国国防省は、日本が安保協力を口実に地域外から介入し、緊張を高めているとして「断固として反対する」と表明した。
3.CPTPP(環太平洋パートナーシップ協定)の拡充
高市首相は、フィリピンやインドネシア、UAEといった「戦略的に重要な国」のCPTPP加入プロセスを早期に開始することを目指すと明言した。
• 背景: 中国も同協定への加入を申請しているが、日本側が求める「高い自由化基準」や「経済的威圧の禁止」がハードルとなっている。
• 中国の視点: 中国を差し置いて他の友好国を優先する動きを、経済的な封じ込めの一環と見て反発している。
要約:
高市首相の演説は、日本が提唱してきた「自由で開かれたインド太平洋」に、自身の専門領域である「経済安全保障」の視点を強力に組み込んだものだった。中国は、これを「中国の正当な権益を中傷し、対立構造を固定化するもの」として激しく非難している。