2026年3月以降、イラン国民の生活はさらに深刻化しており、テヘランを含む主要都市から数百万規模の避難民が発生していると報告されている。
現在のテヘランおよび周辺の状況は、以下のような極めて危機的な段階にある。
1.都市機能の崩壊と大規模な避難
2026年2月末から始まった米国・イスラエルによる空爆は、軍事施設だけでなく、エネルギーや水インフラといった「生活の生命線」を直撃した。
• 脱出する市民:国際機関(UNHCRやACAPS)の推計によれば、3月中旬までにイラン全土で約320万人が国内避難民となった。特にテヘランでは、攻撃開始後の数日間だけで10万人以上が街を離れ、最終的にはテヘランや主要都市から60万〜100万世帯が北部や農村部へと避難したと見られている。
• 住宅の破壊:政府の発表では、全国で約6万戸以上の住宅が破壊・損傷したとされており、テヘラン市内の多くの街区で建物が瓦礫と化し、割れたガラスによる負傷も相次いでいる。

2.「水」をめぐる死活的な危機
爆撃以前からの構造的な干ばつに加え、意図的なインフラ攻撃が「水不足」を絶望的なものにしている。
• インフラ攻撃:ゲシュム島の淡水化プラントや各地の送水網が標的となり、数十の村や都市部で供給が止まっている。
• 「酸性雨」の恐怖:石油貯蔵施設への攻撃で発生した有害な煙が、雨とともに「酸性雨」となって降り注いでいる。これにより、数少ない地上水や土壌が汚染され、飲料水の確保がさらに困難になっている。

• 衛生状態の悪化:水不足と停電により、病院の機能が麻痺し、感染症のリスクが急激に高まっている。
3.国内外の混乱
• アフガン難民の窮地:イラン国内に約400万人いたアフガニスタン難民も、仕事の喪失と爆撃により行き場を失っている。一部はタリバン政権下のアフガニスタンへ逆流しているが、多くは戦火の中で孤立している。
• 物流の遮断:ホルムズ海峡の緊張や空域制限により、国際的な人道支援物資の搬送も大幅に遅れており、食料や薬品の供給が追いついていない。
現在のイランは、「空爆による物理的な破壊」と「水・エネルギーの喪失による生活基盤の消滅」が同時に進行しており、国民は安全を求めて移動を繰り返す、まさに極限の逃避行を強いられている。