イラン体制を支えるIRGCでさえ、「パンと給料」が保証されない異常事態





イラン・インターナショナル(Iran International、英国ロンドンに拠点を置くペルシア語の衛星テレビチャンネルおよび多言語デジタルニュース、反イスラム原理主義 )は、イラン革命防衛隊(IRGC)および治安部隊における給料の支払い遅延や食料供給の停滞に関する状況を報じている。

それによると現在、イランは米欧の制裁再開や中東での紛争(2025年に発生したとされる「12日間戦争」など)の影響で、建国以来最悪レベルの経済危機に直面しており、そのしわ寄せが体制の「盾」であるはずの軍・治安組織にも及んでいる、という。具体的には‥‥

1.給料の支払い遅延とシステム障害
IRGCや警察などの治安部隊において、月給の支払いが滞る事態が相次いでいる。

• セパ・銀行(Bank Sepah)の障害:2026年4月の報道によると、軍系の主要銀行であるセパ銀行のネットワークがダウンし、IRGC隊員や軍高官への給与支払いが一斉に停止した。

• 繰り返される遅配:治安維持を担う「特殊部隊(Special Units Command)」では、2026年に入ってから既に3回以上の給与遅配が発生している。

• 不信感の増大:現場の兵士や指揮官の間では、この障害が「意図的な資金流用ではないか」という疑念や、体制への不信感が広がっている。

2.食料配給と物資の深刻な不足
経済の崩壊と物流の麻痺により、隊員への基本的な配給も滞っている。

• ハイパーインフレの直撃:食料品価格が前年比で100%〜200%以上高騰(特にパン、食肉、食用油)しており、政府が規定の配給量を確保できなくなっている。

• 物流・インフラの麻痺:度重なるブラックアウト(停電)や通信遮断、さらには石油化学プラントへの攻撃による資材不足(食品包装用のプラスチック不足など)が、軍のサプライチェーンを直撃している。

• 「空の食卓」:兵士だけでなくその家族も深刻な困窮状態にあり、これまで享受していた「特権階級」としての生活水準が維持できなくなっている。

3.士気の低下と治安への影響
これらの待遇悪化は、体制維持の根幹を揺るがす事態に発展している。

• 任務拒否とサボタージュ::給与の未払いを理由に、親政府集会への動員を拒否したり、警備任務への出動を渋ったりするケースが報告されている。

• 士気の崩壊と脱走:低賃金と重労働、さらに国民からの反発にさらされる中で、士気が著しく低下しており、軍内部での離反や脱走の兆候が見られる。

• 退職者の再招集:人手不足を補うため、政府は未払いのまま退職した元隊員を呼び戻したり、恩赦を条件に囚人を治安維持に協力させようとしたりする苦肉の策を講じている。

まとめ
イラン体制を支える最強の組織であるはずのIRGCでさえ、「パンと給料」が保証されないという異常事態に陥っている。これは単なる経済問題にとどまらず、現体制の統治能力そのものが限界に達している可能性を強く示唆している。

米国としては、このままホルムズ海峡を逆封鎖していれば、近いうちに民衆が蜂起してIRDCが崩壊するだろうから、それまで静観していればいい、というところか。