中国の極超音速滑空兵器(HGV)開発は、世界でもトップクラスのスピードで進んでおり、現在は「初期モデルの実戦配備」から「より長射程・多機能な次世代機への拡大」というフェーズにある。
2026年現在の状況を主な兵器ごとに整理する。
1.東風17(DF-17):完全な実戦配備段階
中国が世界で初めて実戦配備したとされる中距離HGV。

• 現状:すでに人民解放軍のロケット軍に複数が配備されており、台湾海峡や在日米軍基地を射程に収める運用がなされている。
• 特徴:射程は約1,800〜2,500km。マッハ5〜10で飛行し、高度を変えながら滑空するため、従来のミサイル防衛網(THAADやPAC-3)を突破するように設計されている。


2.東風27(DF-27):長射程化への進化
DF-17の能力をさらに強化した、射程の長い「グアム・キラー」とも呼ばれる新型だ。

• 現状:近年の試験飛行(2023年以降の確認事例を含む)により、約5,000〜8,000kmにおよぶ長距離滑空能力が実証されつつある。
• 目的:第二列島線(グアムを含む)を超えてハワイ周辺までを射程に収め、米空母打撃群の接近を拒む「接近阻止・領域拒否(A2/AD)」戦略の核心を担っている。
3.星空2(Xingkong-2):極超音速巡航(ウェーブライダー)技術
HGVとは別に、エンジンの動力を使って飛行する「極超音速巡航ミサイル(HCM)」に近い技術も並行して開発されている。
• 現状:実験機による試験が繰り返されており、自身の衝撃波に乗って飛行する「ウェーブライダー」技術の確立を急いでいる。これはHGVよりもさらに低い高度を飛行するため、捕捉がより困難になる。

4.宇宙空間経由の攻撃(FOBS + HGV)
2021年に米国を驚かせた「地球周回軌道からHGVを突入させる試験」の流れも続いている。
• 状況:地球を一周してから目標に滑空させることで、米国の警戒網が手薄な南極経由などの方向から攻撃を仕掛ける能力(部分的軌道爆撃システム:FOBS)とHGVの組み合わせを研究している。
開発を支えるインフラ
中国の強みは、世界最大級の極超音速風洞施設「JF-22」などを保有している点にある。
• マッハ30級の試験:地上で超高熱・超高速環境を再現できる施設により、米国よりも速いペースで実機試験を繰り返している。

まとめと今後の展望
中国のHGV開発は、単なる「兵器の保有」から、「複数の射程(短・中・長)で、かつ多様なプラットフォーム(地上、潜水艦、航空機)から発射可能な体系的戦力」の構築へと進んでいる。
これに対抗するため、日本(JAXA/防衛省)や米国は、宇宙空間からの常時監視ネットワークの構築を急いでいる、というのが現在進行形の対立構図である。
ところで中国の兵器と言えば、スペックだけの見掛け倒しで、実際には使い物にならないのはベネズエラやイランでも証明されてしまった。
という事は、これら極超音速ミサイルも実は使い物にならないのでは、という疑問が出てくる。
これについては続編にて。