米国はホルムズ海峡の逆封鎖というアッと驚く戦法にでてきたが、これにより最も経済的に深刻な打撃を受けるのは中国であろう。
その理由は
1.中国の圧倒的な依存度
中国は世界最大の原油輸入国であり、その輸入量の約半分 (約45~50%)がホルムズ海峡を通過している。
・イラン産原油の最大顧客: 中国はイランにとって最大の原油輸出先であり、今回の「イランの港への出入り禁止」は、中国への原油供給を直接断つことになる。
・中東依存: イランだけでなく、サウジアラビア、イラク、UAEなどからの原油もこの海峡を通るため、封鎖が長期化すれば中国の製造業や物流、電力網に致命的な影響を及ぼす事になる。
2.「中国包囲網」としての側面
米国のこの措置には、単にイランを追い詰めるだけでなく、戦略的ライバルである中国を牽制する意図も透けて見える。
エネルギー安全保障の脆弱性: 中国は、陸路(ロシアや中央アジアからのパイプライン)での調達を増やしているが、依然として海上輸送への依存度は高く、米国が制海権を握るホルムズ海峡は中国にとって最大の弱点(チョークポイント)にかわりは無い。
戦略的備蓄の限界: 中国は数ヶ月分の石油備蓄(SPR)を持っているとされているが、封鎖によって原油価格が高騰(一部ではバレル170ドル以上との予測も)すれば、中国経済全体のインフレを招き、国内の社会不安に繋がるリスクがある。
米国が「すべての国の船舶を対象にする」と宣言したことは、イランとの貿易を継続しようとする中国に対する強力な警告でもある。中国側がこれに対し、重要鉱物の輸出制限などで対抗するのか、あるいは米国への外交的圧力を強めるのか、今後の動向が世界経済の大きな焦点となっている。