AI時代の今、私立底辺文系大学の存亡危機が指摘されているが、それならAI時代に強いと言われる技能系、大工、とびなどの高度な人材を育てる大学が欲しいと思うのは当然だ。そこで、ものづくり大学や専門職大学を見直すという動きは無いのだろうか。
結論から言うと、「技能系・実学系大学を見直すべきだ」という議論は確実に存在している。しかし、社会的評価と受験市場の構造が追いついていないのが現状だ。
■ なぜ今「技能系大学」が再評価されるのか
AI時代に強い職種としてよく挙がるのは:
• 大工
• とび
• 配管
• 電気工事
• 建築施工管理
• 産業機械保守
• 半導体設備技術者
これらは
✔ 現場判断が必要
✔ 身体性+熟練
✔ 非定型作業
✔ 人手不足
という特徴があり、AI代替が難しい。
■ 代表的な実学系大学
● ものつくり大学
(埼玉県行田市)
• 建設学科
• 製造学科
• 実習時間が非常に長い
• 卒業後は施工管理・製造現場へ
理念はかなり先進的だ。
● 専門職大学(2019年制度開始)
例:
• 京都芸術大学(一部専門職化)
• 東京国際工科専門職大学
• 高知リハビリテーション専門職大学
特徴:
• 実務家教員
• 長期インターン必須
• 理論+実践
■ しかし、なぜ盛り上がらないのか?
① 親世代の価値観が変わらない
「大学=ホワイトカラー」という固定観念が強い。
② 学費が高い
私立大学なので年間100〜150万円程度。
それなら高卒で現場に入った方が早く稼げる。
③ 施工管理は激務
建設業界は給与は悪くないが
• 長時間労働
• 責任重い
• 若年層離職率高い
このイメージが強い。
④ 偏差値構造の罠
日本は依然として
「偏差値=社会的序列」
技能の難易度は偏差値に反映されにくい。
■ 政策的な動きは?
政府は明確に
• リスキリングの推進(DX(デジタル転換)や産業構造の変化に対応するため、企業が主体となり、従業員が新しい業務に必要な技術・知識を学び直し、習得させる取り組み)
• 高専強化(文部科学省が推進する「大学・高専機能強化支援事業」に基づき、デジタルやグリーンなどの成長分野を担う高度専門人材を育成するため、高専の学科・コースの拡充、体制強化、教育・研究環境の改善を、基金を用いて継続的に支援・加速させる取り組み)
• 半導体人材育成(最先端技術や次世代半導体の設計・製造・開発を担うプロフェッショナルを増やす活動最先端技術や次世代半導体の設計・製造・開発を担うプロフェッショナルを増やす活動)」
• 職業教育の高度化(技術革新や産業構造の変化に対応し、社会で求められる実践的な知識・技術をより専門的に習得できるように教育内容や体制を強化すること)
を進めている。
例えば:
• 東京工業高等専門学校
• 豊田工業大学
のような実務直結型教育は評価が高い。
とはいえ、この2校は可なりの難関だ。
■ 今後起きる可能性が高い変化
① 底辺文系の統廃合
これはほぼ確実。
② 技能×デジタルの大学が伸びる
例:
• BIM建築(Building Information Modeling)、コンピューター上に3次元の建物モデルを構築し、材料・性能・コストなどの属性情報(データベース)を一元管理する建築手法)
• ロボット施工(建設現場の作業を自動化・機械化・遠隔操作化し、AIやIoT技術と連携して生産性、安全性、品質を向上させる技術)
• スマートファクトリー(IoT、AI、ロボット技術を活用し、工場の設計・製造・保守の全データを相互接続してリアルタイム分析することで、生産性向上、品質安定、省人化を最大化する「賢い工場」のこと)
• 半導体装置保守(半導体工場で製造装置が常に正常かつ安定して稼働するよう、日々の点検、定期的な部品交換、故障時の修理、洗浄、設定調整を行う業務)
単なる「大工養成」ではなく「高度技能+デジタル」の融合が鍵。
■ 重要な視点
AI時代に本当に強いのは
「身体技能 × 判断力 × テクノロジー理解」
単純肉体労働ではなく、高度現場エンジニア。
■ 現実的な予測
• 技能系大学は徐々に再評価される
• ただし爆発的ブームにはならない
• 本当に強いのは「高専モデル」
う~ん、そう簡単ではなさそうだな。