最近、アナログレコードの人気が復活してきた、という記事を見かけた。
へぇ~っ、今時アナログレコード、ねぇ。
下のグラブを見れば、確かに2013年から毎年徐々に生産実績が増えている。
ところが、音楽ソフト全体のアナログレコードの割合はというと‥‥
あれっ、90年から限り無くゼロというか、底辺を這っているじゃないか。
要するにアナログレコードの生産が増えているとはいえ、全体から身えば目くそ鼻くそ。
決して今後アナログレコードが昔のように復活する何て事は無く、まあ、一部の物好きの間で少し伸びている、という程度だった。
ところで、上の図を見ると、CDでさえ2000年頃のピークから勢いよく下降している。という事は、これらのメディアがオワコンとなっている、という事だ。
では、その分はどうなったのか‥‥
といえば、これは音楽配信だという。
ところが、音楽ソフトが減った分だけ音楽配信が増えてかといえば、どうやら違うようだ。という事は音楽媒体自体の売り上げが減っているという事だ。
この理由は何だろうか。
結論から言えば、YouTubeなどの無料ストリーミング(=広告収益型プラットフォーム)の普及が音楽ソフト全体の売り上げ減少に大きく影響している要因の一つと考えられる。
YouTubeやTikTokなどでは、公式MVやユーザーによるアップロードによって、無料で音楽をいつでも視聴可能であり、特に若年層を中心に、「音楽は購入して所有するもの」から「アクセスして聴くもの」へと価値観が変化してしまった。
要するにCDや有料配信を購入しなくても満足できるため売上が減った、という事のようだ。
勿論、レコード会社やアーティストはYouTube MusicやApple Musicなどの有料ストリーミングサービスに誘導する戦略を進めている。ところが、無料で十分に楽しめてしまう状況が続く限り、CD・ダウンロードなどの「購入型ビジネス」は構造的に衰退傾向にあるのが現実だ。
多少音質が劣ろうとも、無料で充分に楽しめる、とういう事だし、どうせスマホなどにメモリしてイヤホーンで聞くのだから、高音質のメディアの必要は無いという事だ。
これらに対して、アナログレコードなどに拘り、バカ高いオーディオ機器を揃えて、しかめっ面でスピカ―に向かって音楽を聴く、なんていう昭和テイスト満点なオーディオマニアなんていうのは、正に絶滅危惧種というところだ。