中国はトランプ関税にブチ切れして、納入直前のボーイング737MAXの受領を拒否し、今後米国製の旅客機の購入をしないと豪語しているが、それではその穴をどのようにして埋めるのだろうか?
ボーイング737MAXのライバルはエアーバス A320neoであり、この2機種の比較をすると
項目 | Boeing 737 MAX 8 | Airbus A320neo |
---|---|---|
初飛行 | 2017年1月 | 2014年9月 |
全長 | 39.5 m | 37.6 m |
全幅 | 35.9 m | 35.8 m(シャークレット付き) |
最大離陸重量 (MTOW) | 約82,200 kg | 約79,000 kg |
航続距離 | 約6,570 km | 約6,300 km |
標準座席数(2クラス) | 約162席 | 約150席 |
最大座席数(単一クラス) | 約210席 | 約194席 |
エンジン | CFM International LEAP-1B | CFM LEAP-1A または PW1100G |
巡航速度 | 約0.79 マッハ | 約0.78 マッハ |
燃費(旧型機比) | 約15〜20%改善 | 約15〜20%改善 |
客室幅(内寸) | 約3.54 m | 約3.70 m |
発注数(2024年時点) | 約5,700機 | 約9,700機 |
という事は、中国は今後A320を導入するのだろうか?
実は中国には自国で開発したCOMAC C919という中型ジェット旅客機がある。
COMAC C919とは、中華人民共和国の中国商用飛機 (Comac) が開発した、168-190席のナローボディ機であり、中国ではC919をエアバスA320neoシリーズとボーイング737MAXの競合として位置づけている。
仕様はA320 neoとほぼ同じ、というか例によってA320の中華コピーというべきモデルだ。
成程、それなら何もボーイング買わなくてもいいんじゃねぇの、と思うが、実はC919の開発は大きく遅れているし、加えてエンジンについては将来は中国製を使用するとしているが、現状ではゼネラル・エレクトリック社とフランスのサフラン社の合弁会社であるCFM社のもので、要するに米国が中国への輸出を拒否すればエンジンが無い事になってしまう。
加えて、アビオニクス(航空機用電子機器)やランディングギアなどの重要部品も欧米から輸入する必要があり、これまた輸出規制に引っかかって、どうにもならないという状況だろう。
まあ、強がったろところで米国に勝てる筈もなく、その辺を判ったうえでトランプ政権は非現実的な規制を吹っ掛けているのだから、これはもう中国に勝ち目はないという事だ。