兵庫県知事選挙はオールドメディアの衰退を見事に証明した




17日に投開票が行われた注目の兵庫県知事選挙は、何と議会で不信任決議され失職した斎藤氏が、当初の予想を覆した大逆転で勝利した。

失職時は全く勝ち目のない選挙と思われていた斎藤氏が、何故に逆転勝利となったかは、既にオールドメディア自身がSNSなどのネットメディアに新聞・テレビが負けたと言っている。

その発端となったのがN党の立花孝志氏であり、自ら立候補するも自分ではなく斎藤氏に投票を勧めるという従来の選挙の常識では有り得ない事を始めた。しかも、立候補者ならNHKで政見放送という全国に意見を述べられる権利が出来るというメリットを使って、斎藤氏に対するメディアのでっち上げを主張し、これを聞いたネット民達が、SNSをフルに使って斎藤氏への投票行動を拡散したという、正に意表を突く作戦であり、そしてこれが見事に成功したのだった。

都知事選の掲示板をN党のポスターで埋め尽くしたり、とにかく立花氏の発想は誰も想像できない事を、しかも法律の隙間をぬって行うという、今まで全く無いタイプの人物だ。

その立花氏は斎藤氏が知事となったら、副知事になるという話もあったが、何と今度は知事選で、元同県尼崎市長の稲村和美氏(52)への支援を表明した22人の市長のうちの1人である、兵庫県南あわじ市の守本憲弘(かずひろ)市長(63)に対して、来年1月の同市長選に立花氏自ら立候補すると表明した。

立花氏は稲村氏の支持を表明した22市の市長に対して、今後市長選挙にはN党から刺客を送ると表明しているが、その第一弾は何と自ら立候補するというのだ。それで、現職の守本憲弘(かずひろ)市長とは、どんな人物かというと、1961年生まれ(63歳)、東京大学法学部を卒業し通産省に入省、ノースウェスタン大学経営大学院修了。東北経済産業局長を務めた後に退職し2017年、南あわじ市長選挙において無投票で初当選し、2021年、無投票で再選されている。

な~るほど、地方の首長はキャリア官僚の第二の人生の職場になりつつあるのだった。まあ、一応原則として選挙があるとはいえ、これじゃあ事実上の天下りじゃあないか。

ここに立花氏が殴り込みをかけるというのは大いに興味が湧くし、これで当選すれば実に痛快だ。因みに、立花氏は、当選したら本気で市長の仕事を掛け持ちでやると表明している。国会議員よりも首長の方が面白いという事かもしれない。

そういえばネットで机をバンバン叩いている動画が拡散されて大顰蹙をかった相生市長は、2000年に初当選後、計6回は無投票当選を続けていたというから、次回の選挙にはN党から刺客が入り、無投票とはいかなくなるだろう。ただし次回の選挙は3年後であり、それでは話題に乏しいから、もしかするとネット民を使って何か仕掛ける事もあるかもしれない。

それにしても、県議会の満場一致で失職させた斎藤氏が、民意により選ばれて戻ってくるという事態に、県議会は一体どう対処するのだろうか?

県議会も情けないが、一番立場が無いのはマスコミという事になる。トランプ大統領再選でも大恥をかいているし、これぁ、増々崩壊の時期が早まるかもしれないなぁ。