「電動モビリティシステム専門職大学」今年の入学者は2人だけだった





4月に取り上げた電動モビリティシステム専門職大学について、この春に入学したのは2人だけだった事が確定された。実は昨年の入学者は3人で、報道では2年連続で「大幅な定員割れ」と表現しているが、いや、2人とか3人では定員割れ何ていう生易しいものではないと思うが。

ところで、前回のブログではキャンパスが殆ど工事中の画像しか無かったが、大学のサイトでは

ほ~う、研究棟や実習棟、更にはテストコースまであるというのは立派!

とはいえ、まさかCGじゃあないよねぇ、という事でGooglemapで調べてみると

成程、間違いない。

しかし、これ程の設備投資をして新入生が2人では大赤字だろう。

逆にこれだけのキャンパスがあるのなら、もっと全国の高校にアピールして、何とか推薦入学の学生を確保するとかすれば、いくら何でも2人という事はないだろう。

ところで一体どんな内容を学ぶのかと思ったらシラバスが公開されていた。
電動モビリティシステム専門職大学 シラバス(授業計画)

これによると、1年の基礎科目に物理学、化学基礎、微分積分学、線形代数など、機械工学系ではお馴染みの科目が含まれている。取り分け微分積分学、線形代数は、機械工学系の学科では定番中の定番だが、高校の数Ⅲを理解していないと単位を取るのは可なり厳しく、中堅クラスの大学でも付属からの内部進学者や指定校推薦入学者は、かなり苦労しているし、これらを落として留年してしまう割合が結構ある。

念のために、細かい授業計画も見てみれば、何やら高校レベルの微分積分の基本のような気もするが‥‥。前述の中堅クラス大学の場合でも高校の数Ⅲレベルを理解しているもの、という前提で行き成り難しい内容に突入するから留年者が出てしまう。要するに1年の数学を理解できないと、2年以降の専門科目も理解できない、という事になる。

結局、同大学の計画はあまりにも無理がありすぎる。現実を知っていれば、ガチな工学教育に対応できる受験生を集めるのは、新設大学からすれば至難の業なのだから、間違ってもこんな計画はしないと思うのだが。