メルセデス・ベンツは2024年2月22日、同グループによる2023年の決算会見で、BEV需要の伸びの鈍化を受け、2024年のブランド全体におけるBEV販売比率の見込みを、2023年とほぼ同じ19~21%とした。
そして同クループCEOは、「2030年までに全車BEV化する」という計画を「顧客に押しつけてまで、人為的に達成しようとするのは理にかなっていない」との理由での撤回を発表した。
加えて、今後新規開発はしないと明言していたエンジンについても、2027年からラインナップを刷新していくとし、完全な新規開発エンジンやHEV、PHEVに特化した専用エンジンの開発も含まれるとした。
おいおい、トヨタはEVから完全に乗り遅れたと批判をたらたら言ってたのは、何処のドイツだ。
ところで、今現在のメルセデス・ベンツのBEVラインナップはどうなっているのだろうか?
BEVのモデル名についてはガソリンのクラスを表す、A、B、C、E、Sなどの前に「EQ」を付けてEQA、EQBなどと表す。
本題に入って、最初に一番のボリュームゾーンであるEクラスについて纏めてみる。
BEVの前にエンジン車はどうなっているのかというと、現行モデルは2016年に発表されたW213で、既に8年が経過しているが、途中に何度かのMCを行い現在も継続販売されている、また2017にはプラグインハイブリッド車のE350 eも追加されている。
なお、W123については、発売当時に早速試乗している。
⇒Mercedes-Benz (W213) E200 試乗記 (2016/8)
そしてBEVであるEQEだが、欧州では2021年3月に発表されている。
プラットフォームはEV専用のものを採用している。
実はこのプラットフォーム、何を隠そうSクラスのBEVであるEQSと共通で、言ってみればショートホイールベースがEQSとなっている。というか、Eクラスのロング版がSクラスというのが本当のところだ。
要するに、SクラスのBEVなんて、本気で開発する気など無かったのでは、と疑いたくなる。この辺がエンジンモデルと大いに異なるところだ。
Sクラスのエンジンモデルは、2020年に発表されたW223で、これをベースをしたマイバッハも2021年に発表されている。
この状況を見れば、フラグシップであるSクラスは当分エンジンモデルをメインにして、BEVについてはとりあえずEクラスのロング版でお茶を濁す、という方針であったのではないか、と思ってしまう。
あのメルセデスの技術陣が、今のBEVの問題なんて判らない筈も無く、シレっとしてBEVがコケた時の対策は考えていただろう。
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