専門職大学はその後どうなった?後編





前回の続編として、昨年度に新規開学した専門職大学について調べてみる。

電動モビリティシステム専門職大学は「電気自動車と自動運転について、集中して学び研究を行う」という。

具体的には
・教室で知識を学び、1年生から研究室に入り
・実習実験をして研究の進め方を身に付け
・本物の知識を身に付ける想像を現実にする創造力を学ぶ
としているが、実験実習が厳しいのは大学の工学部なら常識だし、「本物の知識を身に着ける」って、専門職大学以外は本物の知識が身に付かないのか、何て言いたくなる。

大学でもBFクラスの工学系では、数学では分数の通分と、英語は辞書の引き方を教えているという話も伝っているくらいで、そんな現状で今更専門職大学というBF大学を新設して、一体どうするつもりだろうか?

ぶっちゃけ、ここを出てEV関連メーカーに就職は出来ないだろう。自動車メーカーや大手部品メーカーでシステム開発業務に就職するには、最低でも千葉工大や東海大クラスの大学院修了が必要で、逆にMARCHクラスでも学部卒ではこの手の求人は少ないだろう。まあ、スタートアップのベンチャー企業なら‥‥いや。どうかなぁ。

それで初年度学費はというと
1,580,000 円

う~ん、それにしても、この大学を希望する受験生っているのだろうか、と思って同大学のHPを見たらば

合格者1名!

少数精鋭って事かな(笑

いや、待てよ。最近の大学は前年中に試験を終わらせる青田刈りをやっているというから、既にこの方法である程度の新入生を確保したのかもしない、と思って調べてみたらば‥‥

昨年11月5日に総合型選抜試験として合格発表されていた。それによると‥‥

合格者は‥‥1名だった、ズルっ

ところで、この大学のキャンパスとかはどうなっているのだろうと、HPで探したが住所があるのみ。そこでグーグルマップで調べてみたらば‥‥。

ただし、上記の情報は昨年7月時点なので、今はこの場所に立派な建物が建っている‥‥ことは無いだろう。

ここで、この専門職大学の経営母体を調べてみると「学校法人赤門学院」と判った。そこで、赤門学院を調べてみた結果は
宮城県仙台市青葉区にある「専門学校赤門自動車整備大学校」を経営している法人だった。

宮城県の自動車整備学校の経営者が山形県に専門職大学を開学したということだっだ。

次に「東京情報デザイン専門職大学」だが、「情報に関する専門知識と情報技術を習得し、課題の要因を見出して解決策をデザインする思考法を備え、ステークホルダーとの連携・協働によりシステムを開発できる情報技術者」を育成するのだとか。

それって、大学の情報系学部で良いんじゃないの。しかも、BFの学生を集めてそんなハイレベルの情報技術者が養成できるのかねぇ(笑

この東京情報デザイン専門職大学のHPを参照すると、随分と立派な校舎の写真がある。

この校舎を見ると、随分と資力のある経営母体のように思えるが、経営する学校法人滋慶学園は全国に専門学校33校、各種学校1校を経営する大手専門学校だった。

そして、「グローバルBiz専門職大学」は、『国際社会において経営・財務・法務などの知識を基盤に、豊かな交渉力と専門知識・技術を駆使し、自らの可能性を追求できるイントレプレナー(企業内起業家)・プロジェクトリーダーを目指します。』というのだが‥‥。それって、早慶クラスで経済学を勉強した後に米国のMBAを取得するくらいの、超エリートの仕事と思うが。

最後の「ビューティ&ウェルネス専門職大学」は、ネイルサロンやエステサロンの世界では大手の「ミスパリ学園」が経営する。そうかぁ、エステの四大版かぁ、と思ったら、資格取得などは目指さず、ネイルサロンなどの経営者を育成するのだそうだ。とは言え、エステ自体が大学と競合しないから、それなりにはやっていけるかもしれない。

ところで前編でも触れたが、このビューティ&ウェルネス専門職大学の偏差値は何故か42.5となっている。それ以外の専門職大学はBFか最高でも37.5であり、何故か特出している。偏差値42.5というと‥‥帝京大学 法学部 40.0より上で、大東文化大学 経済学部 42.5~45.0と同等だ。

普通に考えて、どちらを選ぶか何て、言うまでもないだろう。

という訳で、10年後にいくつ残っているかは見ものだが、結局東南アジアからの留学生で定員を埋めるパターンだろうか?