貨物船衝突で橋が崩壊し湾内に閉じ込められた米軍用高速貨物船って何?

 

3月26日、米メリーランド州ボルティモアで橋が崩落した事故は、電源喪失で制御不能となった大型コンテナ船が橋の橋脚に激突し、その結果は橋が全て崩壊してしまうとう大惨事となった。

この橋は構造上、一カ所の橋脚が破壊されて橋の一部も崩壊すると、橋全体のバランスが崩れて全てが崩落してしまう結果となった。

橋の位置を地図で見ると

この結果、湾内にいた船舶は完全に閉じ込められた状態となり、十数隻の船が湾内から出る事が出来ない状態となっている。

その中に米国の軍用高速海上輸送船、アルゴル級車両貨物船が2隻含まれているという。

アルゴル級は世界最速の従来型蒸気動力貨物船で、巡航速度は33ノットを超えている。このため、通常は港に待機しているが、有事の際には即座に輸送任務に就くのだが、それが閉じ込められているというは国防上問題が大きい。

湾内から出る為の最小限の通行が出来るまでには5~10日は必要と言われているが、まあ、その間に緊急の作戦が発生しなければ、何の支障もないのだが‥‥。

ところで、この橋の崩落での人的被害は二人が重軽傷、六人が行方不明だが、事故の大きさの割には被害が少ないのは、コンテナ船から制御不能の連絡をキャッチした市の当局が、緊急で橋を通行止めとしたために、一般の通行車両が巻き込まれずに済んだのが幸いしたのだった。

これ、もしも日本で同じ事故が起きたらば、橋を管理する当局の無能な小役人では迅速な対処何てできる筈も無く、多くの被害者が出ただろう、と言われている。

尤も、日本の橋梁の橋脚は、ボルチモア事故のような細い鉄骨を組み合わせた軽量構造ではなく、頑強な鉄筋コンクリート製で、船が衝突しても簡単に崩落はしないだろう。

この橋が完成した1977年当時のコンテナ船は今よりも遥かに小さく、こんな巨大船を想定していなかったのも原因というが、橋梁は耐用年数が長いためにこんな事が生じてしまうのだろう。

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