クルマ試乗記の裏話46 【日産の高級車ブランド 1】





トヨタのレクサスに相当する日産の高級車ブランドはインフィニティで、北米ではレクサスと同様に1989年より展開され、第一弾として発売されたのは大型セダンのQ45だった。Q45は日本では日産・インフィニティQ45として日産ブランドで発売された。

レクサスが米国で最初に発売したのもフラグシップとなるLS(セルシオ)だったが、これでトヨタ・ニッサンのライバルが同時期に北米で高級車ブランドを立ち上げ、その最初の車種は大型セダンというのも同じだった。

インフィニティはQの発売とほぼ同時の1990年初めに「M」をラインナップに追加した。このクルマは日本で販売されていたレパードの姉妹車だった。

ところがMは2003年には日本で販売されていたセドリック/グロリアベースに4.5L V8 エンジンを搭載した「M45」を発売した。

その2年後の2005年には早くもMのFMCが行われ、全く新しい車種として生まれ変わった。このクルマは日本ではフーガとして発売されたが、日本仕様には米インフィニティには無い2.5Lが設定されていた。

これは勿論、即座に試乗した。
ニッサン FUGA 250GT 試乗記 (2004/10/30)

米インフィニティのMは3.5L V64.5LV8のラインナップで、これらは日本でも販売されていた事から3.5L にも試乗している。
ニッサン FUGA 350XV試乗記 (2005/2/26)

それじゃあ4.5Lの試乗記は、と言われそうだが、流石に4.5Lの試乗車はどこを探しても無かった。

この4.5Lは米国では結構売れたようだが、その陰で同じ4.5LのQ45の販売が落ち込み、遂には2006 年に販売を終了してしまった。この為にインフィニティのフラグシップモデルはMとなった。

その結果、現在のインフィニティはレクサスLSに相当するFセグメントの高級車を持たないプレミアムブラントという、何とも情けない状態となっている。これは今でもメルセデスベンツSクラスのライバルと目されているLSをフラグシップとするレクサスとは大きな違いであり、ハッキリ言って負け組確定というところだ。