中共のパンダ外交といえば、日本人で知らない人はいないというくらいに確立された政策だ。実はパンダは高額でレンタルされているもので、1頭当たりのレンタル料は年間100万ドル(約1.3億円)であり、中共にとっては外貨は稼げるし外交の手段として大いに役立つという美味しい事ばかりのアイテムだ。
ところが最近、このパンダ外交が怪しくなってきた。というのは今年の初め、英国のエディンバラ動物園が、11年間飼育してきたつがいのパンダ「ヤングァン(陽光)」「ティアンティアン(甜甜)」を中国に返還する計画を表明した。2頭は今年10月ごろに四川省に戻される予定だ。
日本でも2月に上野動物園で生まれたシャンシャン(香香)と岡山県のテーマパーク「アドベンチャーワールド」にいた30歳の雄パンダ「永明(えいめい)」と8歳の双子の姉妹「桜浜(おうひん)」「桃浜(とうひん)」が中国に戻って行った。
尤もシャンシャンの場合は、海外で生まれてパンダは中共に所有権があり、2歳になったら中共に戻す契約になっている事によるのだが、パンダについては中共のやりたい放題の不平等条約みたいなものだ。
次にフィンラインドのアフタリ動物園も、飼育中のパンダ「ルミ」と「ピュリュ」を返還する準備をしているようで、これは2018年に15年の期限で貸し出されてものだが、5年で返却となった。
米国では4月に20年のリース期限が終了したテネシー州メンフィス動物園のパンダを返却する予定で、更にはスミソニアン国立動物園にいるつがいのパンダ「美香(メイシャン)」「添添(ティエンティエン)」と、2頭の間に生まれた「小奇跡(シャオチージー)」の計3頭が、契約期間終了で年末に返却されるという。
まあ、返却理由は色々あるが、中共のパンダ外交がそろそろオワコンになった事を示唆しているのは間違いなく、同様に中共の戦浪外交に対する世界の危機感と反発が背景にあるのは当然だ。
ところでパンダの生息地として有名な四川省だが、実はここは本来、チベットの領域であり、現在はチベット自治区として、人権侵害などでも有名な地区だ。
要するにパンダは本来、中国ではなくチベットのものであり、それを乗っ取った形で中共は外交に大いに利用しているという、誠に中共らしい現実があったのだった。
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