正月2~3日といえば、箱根駅伝だ。
2日間にそれぞれ数時間ずつ、テレビが生中継をするという異常なイベントであり、しかもこれは関東学生選手権、すなわちローカル大会なのにこの全国的な人気は一体何なのだろう。
まあ、言ってみれば、日本の私立大学は首都圏の一極集中という特殊事情である事を良く反映している。
さて、その出場校は20校であり、そのうち10校は前年の大会で10位以内の入ったシード校で、残る10校は過酷な予選会を通過した10校が出場というする。
ではその出場校を見てみれば、先ずは受験生の憧れであるMARCHはどうだろうか。明治(M)、青学(A)、立教(R)、中央(C)、法政(H)は全て出場しているどころか、青学を始めにして多くは優勝候補だ。立教はこのところ出場できなかったが、今年は55年ぶりの出場となり、MARCHの5校が全て出場した。
次に日東駒専だが、日大は出場していないが、それ以外、東洋、駒沢、専修は出場しており、駒澤に至っては今年の往路で優勝した。日大も最近までは常連校だったが、例のアメフト部に端を発する運動部の凋落や、怪しい経営陣に乗っ取られた実態などで、大学自体も受験性が激減し、今や落ち目の三度笠。そうなれば必然的に箱根の記録会でも満足な成績が出なくなるのもこれまた当然だ。
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では大東亜帝国はどうだろうか、大東文化、東海、帝京、国士館は出場しているが、亜細亜は出場していなかった。
という事でMARCH、日東駒専、大東亜帝国のうちで、未出場は2校のみ。
さて、これらメジャー大学と共に、無名大学が外国人留学生を使って出場するというのも、これまた箱根駅伝の大きな特徴だ。最初にこれをやったのは山梨学院で、あれを見たときには、なんだかイカサマ臭いが、グレーではあっても黒では無いのかな、と思ったし、これがメジャー大学だったら問題になるが、無名校だから良い事にするかぁ、なんていうのが世間の気持ちだった。
しかし、この手法は大当たりで、当時は山梨の無名私立大学で、学生が集まらずに経営も大変だったのが一気に盛り返し、今でも立派に存続しているのだから大したものだ。あの時、箱根駅伝を使っての起死回生が無ければ、おそらく今、同大学は存在していなっただろう。
これを見た他校も、箱根駅伝の威力を思い知ったようで、それまでは全く乗り気でなかったような大学までが必死になり、言い換えれば大変な激戦となっているようだ。元々、箱根駅伝なんてお洒落な大学は出てこなかったのが、青学の出場とその後の連覇で、他のおしゃれ系大学も本気で出場を考えてきたのだろうが、そう簡単にはいかなそうだ。
テレビの凋落が叫ばれ、メディアの主流の座をネットに奪われつつある今日この頃だが、この箱根駅伝は未だテレビの強みを発揮している珍しい例だ。
ところで、そうなれば他局も駅伝にあやかろうとニューイヤー駅伝などを中継するが、はっきり言って箱根にはマルで敵わない。
やっぱり、箱根駅伝は特別なのだった。
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