ディーゼルエンジンの排気対策として尿素SCR還元システムという方式がある。これは一言で言えば尿素水を排気中に噴射することで高温下で加水分解させてアンモニアガスを発生させ、このアンモニアによりNOxを還元しN2(窒素ガス)とH2O(水蒸気)になる事でディーゼルエンジンの欠点であるNOx排出を抑えるものだ。
この方法は現在では大型商用車が主体だが、10年程前のディーゼル乗用車は尿素SCR還元システムを使っていた。その一例として世界に先駆けて乗用車用クリーンディーゼルを搭載したメルセデスベンツの試乗記を下記にリンクしておく。
⇒Mercedes Benz E350 BlueTEC Wagon 試乗記 (2010/10)
ところが、韓国ではディーゼルエンジン車に使用する尿素水が不足して、大型トラックやバスが運行出来ないという事態が発生している。
韓国では尿素水の97%を中国から輸入した尿素を蒸留水で薄める事で生産されている。この尿素は石炭を原料としているために、石炭価格の高騰により中国が尿素輸出に対して輸出前商品検査の実施を義務づけたことで、事実上輸出が止まってしまった。
このため、韓国国内の尿素水の価格は10倍にも跳ね上がり、しかもメーカーの在庫も底を突き始めるという事で、大型車の運行に支障を来している。その影響は大型トラックのみならずバスや消防車、果ては警察の警備車両も運行できなくなる、という状況で、いやまあ、これまたお笑い韓国をやっているようだ。
ところで、日本では如何なのかと言えば、尿素水の製造に不可欠なアンモニアの80%を国内で生産している事から、多少の価格上昇はあるにしても大きな問題にはなっていない、という。勿論欧州も同様で、結局韓国の一人負けだった。
基本技術や原材料は全て国外の物を使い、ただ組み立てていただけの韓国の産業だが、それでも一時は液晶パネルや半導体メモリで世界を制覇したかに見えた事から勘違いを始めたのが痛かった。結局、日本の自衛隊機へのレーダー照射に端を発した輸出規制を喰らったら、あっという間に半導体産業に危機が訪れるなど、その基盤の弱さが暴露された形になった。
また、金融でも日本の保証が無ければ貿易も出来ない事も判明し、日本製品不買運動をすれば大ブーメランを喰らって増々経済は低迷するという状況を見れば、いくら韓国人とはいえその状況は把握出来る筈だが、未だNO JAPANをやっている輩もいて、まあ国家が破綻しても判らないだろう。
その国家破綻は未だかな?
そろそろという気もするが。
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